【Maziプロの巻 #1】~薮中塾“最年少”の挑戦~
はじめまして!!薮中塾6期生の小野耕平です!
立命館大学国際関係学部の2年生で、19歳大阪府出身です。趣味はジブリと友達の家で遊ぶことで、特技は柔道です。
まだ2年生なので専門分野などはないのですが、3年生になったら日本の専守防衛や世界の安全保障を専門的に学びたいと思っています。
さて、先日私はMaziプロというプロジェクトを薮中塾内に立ち上げ、有志を募って「障害者支援」をテーマにしたミニ勉強会を主催しました。
定期の勉強会ではないのですが、たくさんの塾生に参加してもらい、そのおかげでミニ勉強会は大成功に終わりました。
今回の投稿では、
・Maziプロとは??
・なぜ私がMaziプロを立ち上げてミニ勉強会を主催したのか
・Maziプロの今後の活動の展望
についてお話しし、最後に第1回ミニ勉強会の報告をしたいと思います。
(一番左が僕です!)
Maziプロについて
Maziプロでは、塾生が薮中塾で扱いたいテーマや議論したいことを、その塾生のイニシアチブで様々な方法で(ミニ勉強会開催など)実現してもらいます。
その際に、私たちMaziプロ運営メンバーは彼らを技術面、広報面などでバックアップします。
このMaziプロで行うミニ勉強会にはいくつかの特徴があります。
1つ目は、このミニ勉強会に参加したいと思った人だけが参加する完全有志制であること。
2つ目は、定例の勉強会よりも敷居が低く、誰でも気軽に参加できることです。
そのため、「みんなと議論したいテーマはあるけど、いつもの薮中塾の勉強会で主導して議論を行うのは難しいな~」と考えている塾生や、「みんなと議論したいことはあるけど、定例の勉強会では扱いにくいな~」と考えている塾生などが、主導して行いやすい勉強会の設計になっています。
Maziプロをはじめた経緯
私がMaziプロというプロジェクトを立ち上げて、ミニ勉強会を主催・バックアップしようと思った契機は、7月に薮中塾内で行われた相互インタビューというイベントでした。
相互インタビューとは、薮中塾の後期勉強会テーマを塾生全員が1人1人提案し、最終的に自分が良かったと思うテーマに投票し、似たジャンルのテーマに投票した塾生同士で各月の勉強会担当グループを作るというものでした。
実際、そのグループごとに最終的な勉強会テーマを決めていく過程ではもちろん選ばれた勉強会テーマと選ばれなかった勉強会テーマがありました。
この相互インタビューで各塾生が提案したテーマは、1つ1つとても面白く、どれも薮中塾で扱う意義のあるもので、塾生全員が考えなくてはいけないテーマでした。
そのため、私はこれらのテーマが塾生の間で議論されぬままボツになるのは非常にもったいないと思いました。
そこで、私は選ばれなかったテーマの勉強会を実現させるために、「選ばれなかった勉強会テーマを様々な形で実現させよう」というプロジェクトを立ち上げたのです。
ただ、当初のプロジェクトの名前が長かったので今流行りの「Niziプロジェクト」のパロディで、「Maziプロ」というプロジェクト名にしました。
(せっかくなのでロゴマークも作りました!)
今後のMaziプロの展望
これからは、「こんなテーマで塾生のみんなと議論したい」と私たちMaziプロ運営に相談してくれた全ての塾生のテーマを、運営一同でしっかりとバックアップして、ミニ勉強会など様々な形で実現させていきたいと思います。
また、今後はそのような形で実現したミニ勉強会を薮中塾生のみならず、社会問題などに関して議論するのが好きな方や、このコロナ禍で議論の機会を失った方(大学1年生や高校生)などの塾生以外にも開き、様々な角度から議論していきたいと思います。
第1回ミニ勉強会(テーマ:障害者支援)の報告
次に、先日開催した第1回ミニ勉強会(テーマ:障害者支援)について報告したいと思います。
報告の前に、そもそも自分の身内や周りに障害を持った人は少なく、国際関係学部という障害者支援とは畑違いの私が、なぜ障害者支援のミニ勉強会を開いたのかについてお話したいと思います。
私の将来の野望は、世界平和です。
世界平和への大きな一歩は、人間間の不和を解消し、ときにはその不和と共存することだと考えています。
不和とは、歴史的な衝突や歴史認識の問題、差別やいじめ、格差などの人間間に起こるいざこざです。
この不和を解消しない限り、どれほど世の中から核や武器をなくしても、人々は身の回りのモノを凶器に変え、また争いをはじめます。
人間間の不和の根源の1つに「優生思想」というものがあります。
優生思想とは、その名の通り「生きている人に優劣をつける」という思想です。
白人を優れた人とし、有色人種は劣った人とする。
また、いわゆる「健常者」を優れた人とし、障害者を劣った人とする。
そして昔に植民地支配していた国の住民を劣った人とし、宗主国だった国の住民を優れた人とする。
差別やいじめなど数々の差別の根源はこの優生思想にあります。
完全に撲滅させることはとても難しいとは思いますが、私はこの優生思想を世の中から撲滅したいと願っています。
今回ミニ勉強会で障害者支援を扱ったのも、障害者と優生思想には深い関係があるからです。
例えば、あなたが、もしくはあなたの奥さんが子どもを授かったとして、あなたは生まれてくる自分の子どもに対して「障害のない子に生まれてほしい」と当然のように思うのではないでしょうか。(すべての人がそうとは言い切れませんが、多くの人が考えると思います)
この考えは、「障害を持つと現在の世の中では生きにくく、生まれてくる子どもが苦労する可能性がある」と社会そのものが障害に適応できていないことに対する懸念によるものかもしれません。
しかし、その考えの根幹に優生思想が全くないと自信をもって言える人はいるのでしょうか。
私の今の力では、この障害に関する根深い優生思想を完全になくすことは難しいかもしれないけれど、障害を社会全体でなくす一助を考えることはできる。それがこの障害に関する優生思想をなくす第一歩になるのではないか、と考えて薮中塾でまず実践してみることにしました。
ーーーーーーーーーー
それでは、第1回ミニ勉強会の報告を行いたいと思います。
私は、この第1回ミニ勉強会のテーマを「もし、薮中塾に障害を持った人が入ったら」に定めました。
元々は、尊厳死や出生前診断の是非など、優生思想が関係するような社会問題を取り扱おうと考えていました。
しかし、これらのテーマももちろん議論するべきなのですが、このようなテーマだとどうしても当事者目線がおざなりにされ、参加者が第三者として自分の意見を言いがちになるのではないかと考えました。
障害を社会モデル*の中でとらえ、当事者意識をしっかりと持って初めて、これらの議論は意味を成すと考えて、このテーマに設定しました。
Maziプロのコンセプトである「誰でも参加できるミニ勉強会を」に基づき、参考文献などは最小限に抑え、ミニ勉強会本番を「事前にインプットした知識のアウトプットの場」としてだけでなく、「考える場」としても設計しました。
ミニ勉強会本番では、各グループに異なる障害を持った塾生を想定し、その塾生が主体的に参加できるような勉強会の設計を、ワークシートを使用して行ってもらいました。
各グループが、勉強会準備の段階から勉強会の議論中、勉強会が終わった後の事後課題まで、障害を持った塾生でも主体的に参加できるような設計を考えてくれました。
(第1回ミニ勉強会のプレゼンの様子)
一部のグループの発表を簡潔に紹介します。
あるグループでは、先天性の重度の聴覚障害を持つ塾生を想定してもらいました。
そこでは勉強会の設計を模索する中、この聴覚障害を持つ塾生がどうすれば主体的に議論に参加できるようになるか、ということが重要な論点となり、最終的に文字通訳を行って議論内容を文字として可視化することにしました。
その文字通訳には、話すのと同時に文字起こしが可能なパソコンの自動文字起こしソフトを使って、そのソフトの精度を補完するためにノートテイカー(1人)を用意するという設計をしてくれました。
事前に行った調査で、「障害についての「医療モデル」と「社会モデル」について知っていますか?」という質問をした際、回答者の90.9%が障害の「社会モデル」について知らないと答えました。
しかし、ミニ勉強会後に行った事後調査では、回答者の全員が障害を「社会」と関連づけて考えており、障害について「社会で取り組まなければならない」といった一種の「社会モデル」として捉えていました。
このミニ勉強会が障害について考える機会になったことが分かり、とても嬉しい気持ちです。
ーーーーーーーーー
以上、Maziプロについての報告でした。
これからも、塾生の議論したいテーマの実現をどんどんサポートして、薮中塾の議論の幅を広げていきたいと思いますので、よろしくお願いします!!
* 社会モデルとは、障害者が味わう社会的不利は社会の問題だとする考え方です。そして、社会モデルにおける障害者とは、社会の障壁によって能力を発揮する機会を奪われた人々と考えます。
NPO法人CILだんない 「社会モデル・医療モデルとは」
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?