宇宙府中
ついに人類は太陽系外惑星に地球と酷似した星を発見。実地調査を行わずして、人が住めて、生態系が存在することもほとんど確実だと結論づけることができるほどの、まさに瓜二つ、地球二つである。
「さあ我々はついに、歴史的瞬間を目の当たりにします。我々と同じ大地から空を見上げ続けた1人の日本人が長い孤独の宙を泳ぎ続け、ついに新たな星へ降り立ちます。直前の今のお気持ちをお聞かせください」
「えー、地球の皆様、聞こえておりますでしょうか。聞こえていたら嬉しいです。人類何万年の歴史の積み重ねてきた一歩一歩が、本日身を結びその一歩を共に歩める時代と数々の先人たちへの感謝の意をまずは表したいと思います。」
「さあ、もう間も無くです、第二の地球と名高いその惑星に降り立つ、まさにその瞬間です。ついに、、、、ついに、、、、、、その瞬間が訪れた!さあ改めまして生中継です!今のお気持ちはいかがでしょうか!」
「感無量です!が、私の皆様から託されたミッションはこれからが本番です。ここからしっかりと仕事を。いや、ですが、やっぱり、僕の子供の頃からの夢である宇宙人とのコンタクトがついに、ここで、叶うかもしれないと思うと、とてつもない私情の喜びに押しつぶされそうです!すみません!まじで!まじでサイコー!えぐいて!」
「そうですよね、夢であった宇宙人は果たしてどのように我々を彼を歓迎してくれるのか、ちなみに今はまだ宇宙人らしき影は見られないのでしょうか」
「はい、ちょっとまだ宇宙人らしきものは何も、だけど、とっても居心地が良いです、なんでだろ、まさに第二の地球なのでしょうか、個人的にいうとね、地元のね、西東京にそっくりというか、府中みたいな落ち着いた感じですね、自然と都市が一体となった感じの程よさ。やはり当初の予測通り木々は生い茂ったなかに、本当に文明らしき形跡が見られますというかですね。ていうかあれですね、ほぼ府中ですねこれ。ちょっとふらっと歩いてみますね、あっあっあっあっ!あれ!えっ!ワンちゃん!え!あの、犬!犬です!確かに犬がいます!我々がよく知る、地球にいるあの犬と全く同じ姿形の犬です!ということはこれはあれですね、これ、宇宙犬!宇宙犬ですねこれ!すげえ!宇宙犬ですよ!!またいる!3匹います!それから、あ!うわ、鳥!いや、宇宙鳥!宇宙鳥だ!すごく安定した生態系なんでしょうねこれ!また宇宙犬!宇宙鳥!宇宙烏!宇宙鳩!宇宙鳩!宇宙鳩!宇宙鳩!宇宙鳩!宇宙鳩!宇宙鳩!宇宙鳩!宇宙鳩!宇宙鳩、宇宙鳩、宇宙鳩、宇宙鳩、宇宙鳩、宇宙鳩、宇宙鳩、宇宙鳩、宇宙鳩、宇宙鳩の群れ、宇宙パン、宇宙鳩の宇宙エサ、宇宙猫、宇宙公園、宇宙ブランコ、宇宙ベンチ、宇宙砂場、宇宙スコップ、宇宙砂の宇宙城、宇宙ベンチ、宇宙藤棚、宇宙池、宇宙標識、宇宙球技禁止、宇宙宇宙車止めポール、宇宙道路、宇宙コンビニ、宇宙入口、宇宙エロ本、宇宙立ち読み、宇宙出口、宇宙車、宇宙信号、宇宙横断歩道、宇宙家々、宇宙古着屋、宇宙入口、宇宙服、宇宙試着室、宇宙カーテン、宇宙鏡、宇宙逡巡、宇宙出口、宇宙自転車、宇宙拝借、宇宙下り坂、宇宙風、宇宙森、宇宙木、宇宙木、宇宙サル、宇宙ゴリラ、宇宙チンパンジー、宇宙マンドリル、宇宙マントヒヒ、宇宙バーバリーマカク、宇宙クロカンムリリームモンキー、宇宙アビシニアコロブス、宇宙ヴィルンガゴールデングエノン、宇宙ゴールデンラングール、宇宙木々、宇宙水平線、宇宙潮風、宇宙波の音、宇宙海、宇宙海岸線、宇宙船、宇宙魚、宇宙魚、宇宙魚、宇宙魚、宇宙魚、宇宙かもめ、宇宙かもめの群れ、宇宙イルカ、宇宙下り坂、宇宙風、宇宙風、宇宙風、宇宙両手放し、宇宙風、宇宙クジラ、宇宙クジラ、宇宙クジラ、宇宙クジラ、宇宙クジラ、宇宙クジラ、宇宙クジラの群れ、宇宙鹿の群れ、宇宙虎、宇宙立ち漕ぎ、宇宙立ち漕ぎ、宇宙立ち漕ぎ、宇宙施設、宇宙避難、宇宙入口、宇宙美術、宇宙絵、宇宙絵、宇宙絵、宇宙絵、宇宙絵、宇宙絵、宇宙絵、宇宙俺、宇宙俺?宇宙俺!あっ!なんと、宇宙俺です!宇宙俺がいました!宇宙俺にね、折角なので、ちょっと話を聞いてみます!宇宙俺に突撃インタビューです!あのーすみません!excuse me?えーとCan you speak English?で、いいのか?Can you speak Japanese ?えー、こういう時どうすんだっけ、あれ、あの、日本語話せたりします?なんちゃって」
「話せません」
「話せるじゃん」
「少しなら」
「なんだお前。あ、あの、私、ここからとても離れた太陽系、という、あれです、ここからすると所謂外惑星にあたる地球という星からやってきたもので、宇宙飛行士のユキヒラと申します。お時間よろしければ、インタビューさせていただけますか?」
「遠路はるばるどうも、もちろんです。私でよければ」
「ではさっそく、宇宙俺さん、まずはお名前からよろしいですか?」
「ユキヒラです」
「俺だもんね。そうだよね。歳はおいくつですか?」
「8思深です」
「8?8歳なら22時以降だかなんかテレビダメじゃなかったっけ?日本何時だ今、あれこれ、ちょっとカメラ止めたほうがいいですか?というか8なにですか?すみません」
「8思深」
「それはその生まれてから8年間経ってるって認識でいいんですかね?」
「生まれてからは24年です」
「あ、ですよね、俺だもんね。なら地球でいうと24歳ですよ。テレビ大丈夫ですね。あとあの、先ほどおっしゃった8、、」
「思深」
「それです。シシン?というのはどういう尺度になるんですか?」
「肉体の経年ではなく、思考の経年ですね」
「思考の?」
「頭で何かを考えた時間です」
「なるほど、興味深いですね。それは後ほどじっくり聞かせていただけると幸いです。そして、ちょっとここから単刀直入にお伺いするんですけど、宇宙人、というと我々からの視点になるんですけど、今までこの星でまだ、いわゆる人間という種は見つけられていなくですね、どこかに集まって生活をしてるんでしょうか?この星の環境と今見てきてた生き物や建造物などからして、本当に我々の住む星と酷似している上に、この星にも我々人間が存在するとしか考えられないことやものがあまりにも多い」
「この星にも人間と言われる種族は確かにかつて存在しました。が、あなたがたの地球以外の全ての天体、星と共通するように、この星も今や健全に進化を重ねて、はるか昔にヒトという生き物は存在しない星となっています」
「その、ここにかつていた人間が絶滅したとするのならば、その理由や経緯というものはご存知であると?」
「申し訳ありませんが、その質問に対して私から正確にお答えすることはできないです。ただし、ここは美術館で、この先に劇場とスクリーンがあります。ちょうどそこで上映している映画を見ていただければ、この星の歴史は全て理解していただけるかと思います。もちろんその中のヒトの歴史も。ただ、上映時間は、約40思深で、貴方にとってそれが、いわゆる何年間か何十年間か、何百年間になるのかは、見てみなければわかりません。貴方はここでもう一度人生を始めるようなものであり、それでもきっと、この映画では、終わりはやはり一度しかない。それでもよろしければ、お暇であるのなら、是非、映画でも見て行かれますか?」
「見ます」
「そうですよね、俺だもんね。それではご案内いたします」
「ありがとうございます」
「とんでもございません」
「地球の皆さん、それでは、一度、僕はここで映画でも見ていくこととします。もちろん劇場内の撮影はNGですので、カメラはここまでとさせていただきます。NO MORE映画泥棒です。それではまた。ごきげんよう。 ポップコーンとかありますか?」
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