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読書「ゼフィルスの森 : 日本の森とミドリシジミ族」 栗田貞多男著 クレオ ドングリの樹と里山を残す

本との出会い
虫の写真集なのに、虫には縁のない鎌倉の小さな出版社が版元です。綺麗な写真と詳しい生態の記述を見て、書店で購入しました。発行部数が少なく、再販の予定がなさそうで、買っておいてよかったと思える本です。

ゼフィルス
ゼフィルスは、シジミチョウ科の蝶のうち、25種類が属するグループの総称で、虫好きなら知らない人はいない、小さくて美しいチョウです。
ただ、一般の人が見る機会は少ないです。
なぜなのか。

・一年に一回、初夏だけにしか見られない
・一日の限られた時間だけしか飛ばない
・都会近くでは里山、森にのみ生息している

こんな、生態、分布だからです。
私は25種類の内、分布が広く、数の多い5種類しか、見ていません。見ても種を識別ができない時が多いです。

ゼフィルスの重要性、ドングリの樹と里山を残すために
東京23区内でも、おそらく3種類のゼフィルスが今でも、生息しています。これらが生き続けるためには、幼虫が育つドングリの樹(コナラ、クヌギ)と、その森と里山が必要です。
昨年から、自分でまだ見ていない種と、写真が撮れていない種を見ようと、多摩市、町田市などの里山を歩いてます。この地域は、高度成長期に、ニュータウンと称して大規模な宅地開発が行われ、里山がなくなりました。今の環境は、その残りです。
ニュータウンが高齢化で存続の危機にあるのに、いまだ、新しい家が造り続けら、場所によっては、残った森が壊されています。
初夏にゼフィルスが舞う、そんな場所がこれ以上、なくならないことを願っています。

写真 ミズイロオナガシジミ(多摩市)
写真2 ウラナミアカシジミ(町田市)
写真3 本誌(著者撮影)
写真4 種別不明、ゼフィルスの羽(群馬県)

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