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読書 「全・東京湾」 中村 征夫 (著) 新潮文庫 近くの自然を見直すきっかけをくれる名著
2024年6月14日~7月4日に、ミッドタウンのフジフィルム・スクウェアで中村征夫さんの写真展「海中顔面大博覧会」が行われています。これを書いたのは、何かの縁?見てきました。
1 この本について
これまで、多摩川に関する本を三冊紹介しました。源流の奥多摩に関する本も紹介しました。ここまでできたので、河口の東京湾に関する本も紹介します。水中写真の第一人者の中村さんが、日本の経済成長期(正確にはバブル期の少し前)に出版された本です。
一般的な水中写真のイメージ、青い海、熱帯魚、サンゴ・・・を覆した、汚れた海の底の写真のインパクトは大きく、1988年の第13回木村伊兵衛写真賞を受賞しました。私が持っているのは、新潮文庫版ですが、オリジナルは1987年2月に情報センター出版局から出版です。
2 本書との出会い
20歳台のころ、椎名誠さんの小説を読みました。そのつながりで読んだのが、野田知佑さんの「日本の川を旅する」と、本書です。カヌーもダイビングもしないですが、誰もが住む街の自然、そこに暮らす人々に関わる姿勢、視点にひかれて、どちらも後々、何度も、ぼろぼろになるまで読み返しました。
3 東京湾(近くの海、自然)を見直すきっかけをくれる本
綺麗な海や川を求めて、日本の各地、世界に出かける人のほとんどにとって、東京湾は羽田空港の所在地であり、そこが生き物の住む環境であるとは想像できません。ディズニーランドで遊ぶ親子も同様です。私は仕事で、東京ビックサイトに行くことがありますが、ここが海の上であることを想像できないです。
そんな私達に、見えない海を伝えてくれるのが、この本です。
日本が経済成長を第一目標にしていた昭和時代、東京湾は大規模工事の場でした。そんな時代から、海の底の汚れ、そこで生き続ける小さな魚やカニたちに注目し、さらに海で働く漁師さんに着目し、私達の食卓に並ぶ魚介類の一が東京湾で採られいることを教えてくれました。
Wikipediaを参考にして東京湾の大規模工事をまとめました。多くが同書の取材時期と重なっています。
ディズニーランド:1981年建設工事開始、1983年開園
ディズニーシー:1998年着工、2001年開園
アクラライン:1987年着工、1989年完成
羽田空港:1984年第1期拡張、1987年第2期拡張、1990年第3期拡張
写真1は、三浦半島の大楠山から見た東京湾です。こうやってみると、アクララインってすごい!走行しているとその凄さがわからないです。この本で、この下にも、生き物の営みがあることを学びました。図1はGoogle Mapを使い写真1の場所を説明しています。
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