読書「雪山・藪山」川崎精雄著 中公文庫 90年後の状況
本書との出会い
別のnoteの記事で書いた、高桑信一さんの最新作「渓の旅、いまむかし」山と渓谷社を読んでいたら、この本を思い出しました。
買ったのは、十年ぐらい前。群馬県、福島県・新潟県の県境域の山の記録・報告を探していて、ネットで見つけたものです。絶版ですが、文庫であれば、すごく安価で出回っています。
川崎さんと高桑さん
川崎精雄さんは、1907年生まれ、大学在学中から山登りをされていると
紹介されていて、群馬県、福島県・新潟県の県境域で昭和の初期から
活動されています。
高桑信一さんは、1949年生まれなので42年の年齢差ですね。二人は、
沢登りと残雪期の雪山歩きを中心に活動され、アルパイン的でない山々にも、情熱を注がれている共通点があります。サラリーマンをしながら、山登りを楽しみ、本を書かれている点も共通しています。
90年後の状況
本書に昭和8年3月の記録として、尾瀬戸倉から、富士見峠を越えて尾瀬ヶ原に入り、平ヶ岳を目指した中央大山岳部の活動が掲載されています。このルートの前半部分は、何度も山スキーで遊んでいて、川崎さんが、”讃嘆の声をはなった”と書いている、田代平は90年後の今でも、山スキーで2時間ほど歩かないと辿りつけません。尾瀬戸倉までの道のりが劇的に変わっているのに比べれは、変わってないのと同然です。変わらないまま残せて、本当によかったと思うし、これからも、今のまま残すべきです。
今年の7月に、20年ぶりに宝川温泉からナルミズ沢を遡行して、大烏帽子山に登りました。ここは素晴らしい沢登りルートであり、残雪期には山スキールートです。「雪山・藪山」で川崎さんは90年近く前、高桑さんは50年ぐらい前?、私は20年前に同じエリアで活動しています。ここも、山の中は、尾瀬と同様に90年前と、変わらないままです。
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