諷経
諷経(ふぎん)は、仏教において経文を声に出して読む行為を指し、特に禅宗では仏前での勤行(ごんぎょう)として重要視されています。僧侶たちは声を揃えて経を唱えることで、心を一つにし、修行の一環としての役割を果たしています。 
また、諷経は他の寺院や僧侶が参列する法会(ほうえ)においても行われます。この場合、経文を暗誦したり、節を付けて読むことも含まれます。特に浄土宗では、法会に他寺や他の僧侶が随喜参列することを「諷経」と呼び、脇陣などの上座に諷経席を設け、焼香机や曲彔(きょくろく)などを用意する習慣があります。 
さらに、禅宗では、声を出して経文を読む「諷経」に対し、黙読することを「看経(かんきん)」と呼び、区別しています。 
諷経は、仏教の修行や儀式において、僧侶たちが心を一つにし、仏の教えを深く理解し、実践するための重要な行為として位置づけられています。そのため、僧侶たちは日々の修行や法会の中で、諷経を通じて自己の修養と仏法の伝承に努めています。