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「チ。―地球の運動について―」は一気読みさせられた
先日数年ぶりにコロナになり、せっかくの3連休を家で寝て過ごしました。
さすがに暇すぎて先日職場の同僚にお勧めされた「チ。―地球の運動について―」(以下、チ。)を一気読みしました📚
アニメで観ている方やこれから漫画購入を検討している方の参考になれば幸いです。
簡単なあらすじ
物語の舞台は15世紀の中世ヨーロッパ。宗教の信仰と科学の発展が進む時代を舞台に物語は始まります。
地球は宇宙世界の中心で宇宙がその周りを回っているのだとする「天動説」が主流の中で、地球こそが自転し移動している「地動説」こそが正しいのではないかと考える主人公。しかし科学の発展に宗教が絡み合った結果、「地動説」を唱えることは異端と見なされ処刑の対象となっています。
しかしそれでも「地動説」こそが正しいと気付かされた者たちが紡ぐストーリーがチ。の簡単なあらすじです。
時代背景の補足
チ。ではK教等伏せ字で隠されていますが、これはキリスト教カトリックのことをさしているのは多くの読者が気づくところだと思います。
1500年代前後のヨーロッパというのは教会をはじめ宗教が極めて強い権力を持っておりました。
さらに民主主義などどいう考えはまだ根付いておらず(厳密には共和国制度はありましたが)一部の王族や貴族に権力が集中し、国はあくまで彼らの持ち物という時代でもありました。
その中でおけるキリスト教カトリックは他国侵略のために利用されることも多く、十字軍なども聖地奪還を掲げた宗教戦争です。
大事なのは王族、貴族からキリスト教会は信仰を集め、それは権力と資金を集中させる力があったということです。
そしてそれが何を引き起こしたのかといえば、教会の腐敗です。
権力や金が集まるとどうしても腐敗が生まれます。だって何もしなくても勝手に崇められてお金が手に入りますからね。
教会の腐敗は後の宗教改革の自体は繋がっていくのですが、このチ。はその狭間の物語、といったところでしょう。
小難しい時代背景を知ってる必要はない
長々と物語の舞台を語りましたが、この漫画はそんなところまで知ってる必要はありません。
チ。が着目しているのはあくまで世界を敵に回す「地動説」をいかにして守り、紡ぐのか。
紡ぐ者たちは一体何を考えて行動していたのかが表現されている物語です。
ですので進撃の巨人を読んでいて、結局いまこの人は何者で敵なの?味方なの?みたいに読むのをやめちゃった方にもおすすめできる漫画でした。
(コロナで頭がぼうっとしてたけど一気に読めましたからね☺️)
何度か軽いグロシーンはありますが、大したことないので気にせず読めると思います。
ネットで見かけた批判的な意見
X等で感想を見てみると少し批判的な意見も見られました。
例えば、時代考証が足りていないであったり、キリスト教は科学を否定していた訳ではない。などといった意見です。
これに関しては一理あるかもしれませんが、この時代を理解しようとすると本気で世界史を勉強しないとわからないくらい複雑です。
さらにチ。は前述の通り、科学の検証をしていく物語ではなく、「人が紡ぐ」ことに着目しているストーリーですのでそこにツッコミを入れていくのは野暮かもしれません。
8巻で完結と一気読みしやすく、全巻購入もできる作品ですので興味のある方はぜひ読んでみてください。
皆さんも体調には気をつけて🤧