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1分読書メモ:イシューからはじめよ
著者はヤフー株式会社のCSO(最高戦略責任者)を務める安宅和人さん。
仕事の生産性を上げるためには、課題に対しての「解の質」を上げるよりも、そもそも何に対して答えを出すかという「イシュー(課題)の質」を上げることの方が重要であるというお話。
以下、本書の代表的な考え方
・「問題を解く」より「問題を見極める」
・「解の質を上げる」より「イシューの質を上げる」
・「知れば知るほど知恵が湧く」より「知りすぎるとバカになる」
・「一つ一つを速くやる」より「やることを削る」
・「数字の桁数にこだわる」より「答えが出せるかにこだわる」
例えば、上司から「ビールの売上が落ちて困っているからブランドイメージを改善してくれ」というような依頼を受けた場合、まずは課題設定することになるが、ここで鍵になるのが「イシューからはじめる」というアプローチ。
安直に「若者ウケするためにはどんなCMを打つべきか」というような課題を設定してしまうことは実際の現場ではよくあることだと思うが、「イシューからはじめる」というアプローチでは、「なぜ売上が落ちているのか」という根本原因の追求から行う。
もし売上が落ち込んでいることの根本原因が、市場全体の先細りだったとしたら、いくら良いタレントを起用してイメージアップのCMが作成できたとしても売上の向上は見込めない。
つまりどんなに頑張っても(解の質を上げようとしても)一向に生産性は上がらないということになってしまう。
たとえ上司に「ブランドイメージを改善して欲しい」と言われていたとしても、ここでの正解は「ビール事業からの撤退を上司に提案すること」や「海外市場の開拓」になるかもしれない。
このように、初めのイシューが間違っていたら、いくら頑張ってもバリューのある仕事にはならない。
そしてさらに重要なのことは、バリューのある仕事とは「解の質」と「イシューの質」両方が高いものであり、「解の質」から高めたとしても、それが「イシューの質」の向上には繋がらず、正しいのは「イシューの質」を高めてから「解の質」を上げるという道を進むこと。
✖「解の質」向上 → 「イシューの質」向上:犬の道
○「イシューの質」向上 → 「解の質」向上:イシューからはじめる
冒頭の「根性に逃げない」という言葉が強く印象に残っている。
根性に頼るのは言ってしまえば、考えることを放棄して楽をしているということだと思う。
努力をすることに甘えず、正しい努力をするためにしっかりと頭を使って考え、本書が言うところの「犬の道」を進まないように、まずはイシューを見極めるというということを徹底していこうと思う。