Day2-病室と隣人

 私が入院している男子大部屋は、5床のベッドが3・2で並ぶ。いや、6床の3・3並びであったか? まぁいい、大した違いはない。
 私は窓から離れた、つまり出入口に近い側のベッドで、右側にトイレと出入口、左隣は管だらけの大柄な中年B氏である。斜向いの窓側は、むすっとして気難しそうな、小松政夫似の初老C氏。C氏は昨日の入院騒ぎから一言も挨拶を交わせず、たいていはカーテンを閉じ、問診などで姿を現せても、私をちらちらと見るだけだ。
 私の真向かいは空ベッドで、実質的にこの部屋は3人だ。手術直後の日本人、管だらけのB氏、気難しそうなC氏。この部屋には少々淀んだ空気感が漂う。これから何もなければいいが…

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