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2024.03.10 そこの路地入ったとこ文庫 委託作品 「Noise」 同居している秋華から聞こえてくる音がある。 それが聞こえると同時に秋華に現れる、刺すような鋭い瞳。 そんな瞳で梢江を見つめる秋華に怯えながらも、その原因を追究することができないでいた。 サークルに所属したことをきっかけに、梢江は放置していた音と向き合うことになる。微百合。 【販売場所】 *透子のBOOTH 【サンプル】 ヒビが入っていくような、空気の亀裂のような、ぴきぴきと近づいてくる音が、
2024.01.14 文学フリマ京都8 新刊サンプル 「Conte Bleu 西の砂浜の町」 本作品の紹介 とある国に存在する砂浜周辺には、ぽつりぽつりと住宅が残っている。昔に比べると静かになった町を訪れたのは、その国で生まれた小説家。彼女は母国を巡り、訪れた場所の美しさや逸話を綴った旅雑誌を書き上げた。それがConte Bleu。とある国は、現実には存在しない架空国家である。 【販売場所】 *2024年1月14日開催 文学フリマ京都8 *2024年1月15日
2023.01.15 文学フリマ京都7 新刊 「ひとめぼれリトルシュガー」サンプル 一人の少女に出会ってしまった人々の話をまとめた短編集。 【販売場所】 *透子のBOOTH 「夏の中の少女」 夏の終わりにあの子は消えた。 久しぶりに会えると心を躍らせながら歩いていた通学路の私を思い返すと、今朝食べた朝食が胃の中を暴れまわって、せり上がってきそうになる。現実を見ても尚わくわくするのなら、それはきっと異常だ。 「共存」 「そういえばあのことはどうなったんだい」
2022.01.16 第六回文学フリマ京都 新刊 「今は近くに。ANOTHER」サンプル 教師と生徒のBL短編集。少し暗めです。 純愛と書こうとしたけれど純愛では決してなかった。 【販売場所】 *透子のBOOTH 「遼遠の恋人」 普段から綺麗にしている部屋に掃除機をかけ、籠った空気を入れ替えるために窓を開ける。高い空を飛ぶカラスの声は、今朝から心が落ち着かない今井に向けられているようだ。スリッパを履いて手すりに凭れると、背中から風が吹き込む。横髪が頬をかすめると
2022.01.16 第六回文学フリマ京都 新刊 「奇街を歩く」サンプル 少し変わったことに遭いやすい青年の毎日を描いた短編4つを収録。 【販売場所】 *透子のBOOTH 「友塊」 「よしくんってさ、もしかして友達いないの?」 リュックの肩ひもをぎゅっと握って覗き込んでくる幼馴染の顔を一睨みしてから、視線を逸らしてため息を吐く。朝からそんなこと言ってくるやつがいるか。爽やかな天気も台無しだ。春の温かい日差しを放つ太陽の下には、淡い色の桜が咲いている。これでは、花も
短編集 「かすれもの」サンプル 【販売場所】 *透子のBOOTH 「きれい」 教室の隅に花が咲いたようだった。 いつもは陰鬱とした空気が漂っている窓際の一番後ろ。生徒からすれば特等席であるのに、そこに漂う空気はいつも暗かった。伸びっぱなしの前髪を目の前で揺らし、更に眼鏡を掛けた彼女の瞳を見たものはいないのではと感じるほど目元が暗い。髪を一つにまとめてもまとまりきらない雰囲気を醸しながら、背中を覆いつくさんばかりの一つの束ができている。 生徒は彼女の名前を呼ばな