【エッセイ】彼が私を呼んでいるのかしら
自分が死んでしまう夢を何度か見たことがあります。
けれど、いつも死ぬ直前で目を覚ましてしまうものだから、
本当に死んでしまったことはありません。
そんな夢を見た後の胸の高鳴りは特別で、
恋をした時とも、驚いた時とも、怖かった時とも、
どんな時とも似ても似つかないものに支配されました。
大きく鼓動すればいいのに、
痛みを伴えばいいのに、
そうすれば感じたそれを何かに例えることができたのに。
私は、感じたものを誰かに伝えることができず、
ずっと、そうずっと。
違和感のよう