
令和にプレイした『モグラーニャ』は、細かな配慮と丁寧なゲームデザインが光る、任天堂らしい傑作だった。
【概要】
1996年に任天堂からGBで発売された、アクションアドベンチャーゲーム。
自分はスマブラSPのスピリットとして知って、気になったのでプレイしてみることにした。
【評価点】
●良質なパズルアドベンチャー
・倉庫番のようなパズルと、ゼルダのようなアクションと探索要素がうまく組み合わさった、良いとこ取りのゲーム性
・それでいてシステムと操作性はシンプルで、とても面白い
●モグラならではのアクション
・地上と地下を行来したり、穴を掘る位置を考えたり、といった要素はゼルダや倉庫番とは違った面白さがある。
●ボス戦が楽しい
・それぞれ攻略方法の異なるボス戦は個性的で楽しい。
・パズル要素の強いメインステージとは逆に、2Dゼルダに近い高度なアクションが求められる。
・各ワールドのどこかにボスの弱点に関するヒントが隠されていて、探す楽しみもある。
●個性的なキャラクターと、それを引き立たせるユーモア溢れるテキスト
・例として、オープニングのじんべえの手紙では、「おまえのこどもとおくさんは、あずかった。かえしてほしければ、じんべえランドへあそびにきてね!」と、とんでもない犯行声明と煽りが見られる。
●オートセーブ対応で、気軽にプレイできる
・携帯機との相性は抜群。
【賛否両論点】
●メインステージにおける敵キャラの存在価値が薄い
・メインステージはパズル要素がメインのため、敵キャラは単に邪魔なだけ
新しいエリアに着いたらまず倒せる敵を全て倒し、その後でようやくパズルを解くような構造になってしまっている。
・敵キャラクターを利用したギミックを付けるか、あるいは完全に無くしてしまっても良かっただろう。
●最終ワールドのワールド8はボスラッシュであり、純粋なアクションステージでパズル要素が無い
・パズル要素を期待すると肩透かしをくらう
【問題点】
●地上マップと地下マップを同時に見ることができない
・解像度やボタン数など、ハードの特性上仕方のないことだが、2つの画面を切り替えてプレイするゲームとしては少しだけ気になる。
・もしもDSや3DSで続編が出ていたら、2つの画面を同時に見られたのかなぁ…としみじみ思う。
【総評】
アクション要素とパズル要素が適度に合わさった、きわめて良質なパズルゲーム。
シンプルながらも奥深いゲーム性に、ユーモア溢れる台詞回しなど、任天堂らしさが随所に感じられ、現代でも夢中になれる傑作。
まだNSOには来ていないが、もしGBの動作環境があるなら是非ともプレイしてほしい。