忘れられない映画〜イル•ポスティーノ
以前の投稿でバンドの話をしながら、私はこんなことを書いている。
「私には、『詩とはメタファー(隠喩)だ』という思いがある。(忘れられない古い映画に出てきたセリフだが、そのことについてはまた機会があれば)」
この忘れられない古い映画とは、『イル・ポスティーノ』という1994年制作のイタリア映画である。主人公の郵便配達人を演じたマッシモ・トロイージと、もう一人の主人公と言ってよいパブロ・ネルーダを演じたフィリップ・ノワレのすばらしい演技、特にマッシモ・トロイージについては彼の実人生とどうしても重なってしまう演技に泣かされたし、深い余韻に浸ることができたすばらしい映画であった。
レンタルビデオ店全盛の頃に一度見つけて観ることができたが、それ以降はなかなか配信もされず、観る機会はなかった。ところが、ズーカラデルのことを書きながら、ふと「詩とはメタファーだ」という言葉(正確には映画の中の会話であり、確か郵便配達人マリオが高名な詩人ネルーダに対して、「詩とは何ですか?」と尋ねた際のネルーダの答えが、「メタファーだ」だったと思う)を思い出したのだった。
そして、今日、何を書こうかな、映画の話でも、と思い、とりあえず「イル・ポスティーノ」と検索してみたところ、びっくりするような検索結果を得たのだった。
映画『イル・ポスティーノ 4K デジタル・リマスター版』公式サイト (ilpostino4k.jp)
なんと制作30周年、そしてパブロ・ネルーダ生誕120年を記念し、4Kデジタル映像によって蘇り、この11月から全国で上映されるのである。観に行きたい!絶対に!!でも上映日は平日がほとんどではないか。大ピンチである。
お薦めします。公式サイトを見て少しでも心を動かされた方は、ぜひ観に行ってください。私は『ニューシネマ・パラダイス』が大好きで、出演していたフィリップ・ノワレがこの映画にも出演していたので観たのだが、『イル・ポスティーノ』のフィリップ・ノワレの方がより好きである。役ではないところでのマッシモ・トロイージとの繋がりがそうさせるのかもしれないけれど、ラスト近くのフィリップ・ノワレの表情が忘れられない。
ちなみにこの映画は1996年のキネマ旬報ベストテンの外国映画の1位に輝いています。なかなか上映日が合わないかもしれませんが、俗っぽい言葉で言うところの人間ドラマが好きな方は、ぜひ観てほしいな、と思います。やはり映画は映画館で観なくては。本当は観に行った方の感想も聞いてみたいです。私も観に行けたならば、感想を書いてみたいと思います。
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