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小説VS漫画リレー作品#01

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小説と漫画で交互に続きを書きながら作品として完成するのか、というゆる~い実験作品です。
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2017年12月の記事一覧

小説VS漫画 リレー作品:第12話 癌口(小説)

 瞬間、身体が浮いた。と、感じた時にはひっぱられるかのように、底の見えない闇の中へ吸い込まれた。 「……ッ」  悲鳴をあげようにも声がでない。遠くからクサリの声がしたが、聞き取る間もなく落ちていく。上も下も分からぬ中、タイヘイと名乗った男とチェーンソーが先に落ちていくのが見えた。  頭から落ちては死ぬ。頭の中でそれだけを考え、身体を丸めながら両手を後頭部に持っていく。  ――ドプンッ、ドポンッ  粘着性の強い水音が二つ聞こえたと認識できた瞬間、右側頭部から地面……ではなく水の

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小説VS漫画 リレー作品:第11話 (漫画)

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小説VS漫画 リレー作品:第10話(の補足)

小説VS漫画 リレー作品:第10話 癌口(小説)

「こんなものがあったのか……ハハハ……」  ガラス一枚、その向こうに、「空っぽのボク」がいた。もう二度と見る事は出来ないと思っていた。気が付けば涙が溢れだしていた。その涙は歓喜、後悔、怒り、様々な感情が入り混じって濁っているかのようだった。実際流れてきた涙を右手で救いあげ、目の周りを覆っている包帯をずらして良く見ると、灰のような粒子が混じっていた。 「ハハ……久しぶりに見たな……そっかこの涙は……」  ――ボクは勘違いしてたんだな……。 「ねえ、ちょっと僕の左側のポケットを漁