小説VS漫画 リレー作品:第6話 癌口(小説)
俺には笑っていたという女の人がどうなったのかは分からない。ただ、お前「も」人じゃないんだという男の叫びが頭から離れなかった。俺は今、自分の事を人だと言えるだろうか?
人を殺した。初めてだった。それなのに俺は感動を覚えている。今自分が生きている奇跡に感動している。悲しみも焦りも後悔も存在しない。
簡単だった。足元に落ちていた骨で人は死ぬ。そんな脆い生物だったのだ。殺される側と殺す側の違いはなんだ?この世界で生きている俺は一体何者だ?本当に人だっただろうか?
男の血が服の