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少女……

遠いなあと。心の距離?

こちらの記事を見て、「マリみて」面白そうだなと感じて先日ジュンク堂で購入してきた。というか長年通ってきて、コバルト文庫がどこの棚にあるのか初めて把握した。BLの棚と近いところにあってへえとおもったのだけど、それはそれ。

「マリみて」は超有名タイトルと認知してたけどスルーしてたもので。きっかけができてお近づきになれてよかったなという感じ。

なんかお耽美な感じかと思っていたらけっこうさくさく読めて、昔青い鳥文庫とか読んでた感じに近くて、ああこういう文章なんだ、懐かしいなあと。ずいずい(こういう単語の形容もふさわしくないのだろうか)読んで続きが気になる気になる! となったので見てみようかなとそそられた。さすがに原作長くてしんどいから図書館で借りるか、あるいはマンガやアニメを見るか。そっちの方が入り口ルートとしては多いのかな?

まず登場人物の名前がいいのですよね。祥子と書いて「しょうこ」ではなくて「さちこ」と訓読みするあたり細かいリアリティ突いてるなあと、そういう世界観がよかった。タイを直すシーンとか連弾シーンとか定番の刺さるなーというシーンを用意しておいて、しかし銀杏の匂いとかカレーのトッピングのチョイスとか細かい異化的モノを描写としてもってくるところ。語りの不安定さもまたいい。

後は「男嫌い」という概念をそういう風に操作するんだとか、男嫌いにはそれなりの理由があるけど、好きになるにはそれほどの理由はいらない、と切ってみせるセリフにはなるほどと感心した。そういう概念の扱いが最近気になるようになってきたのも含めて、心に残るなあと。柏木、この巻では狂言回し的だったけど続きはどうなるのか。そういうキャラなんだか気になってしまう。

コバルト文庫っていう響きにはちょっと特別な気持ちもあって。実家に氷室冴子などほかコバルト文庫が結構しまわれていたケースがたくさんあって、それはなんだか近寄れないような感じがして読んでこなかったんだけど、いま「マリみて」を読んでコバルト文庫というレーベルに触れてみて、なんだか他の作家作品もだんだん気になって来つつある。昔の読者はどういう気持ちでこのレーベルに触れていたんだろうかという思いも想像したりしながら。いくつか研究書もあるようなのでチェックしてみる。

ほか、「マリみて」と一緒に買った本(サムネ参照)で『裏世界ピクニック』も読了。なんだか久しぶりに洒落怖って単語を見た気がした。昔延々と読んでたなあ…と。ちなみに一番好きなのはリゾートバイトだった。夏日に初めて読んだときのじーんとした怖さがいまだに覚えている。この話も続刊で出てきたりするのだろうか。

元ネタの再現度(?)もさることながら、認知科学で今風に語ったりするところとか、へえとなった。百合についてはまだこの巻だけでは個人的にはピンとこなかったけど、続きはどうなのだろうか。

最近はこんな風に広義の意味での少女小説に接近しつつある。百合作品とかで巷間よくいわれる関係性とか巨大感情というの、わからないなあと思いつつなんだか気になる、それを感じることができるのが羨ましいとおもっている。自分が他者にそれほど入り込めなくて自閉的からなのだろうか、アンビバレンスな感じ。つくづくちっぽけなんだなとおもうけど、どうやったら自分の境界の外に少しでも行けるようになれるのか、そういうことを気にしてる。そのために「少女」がフックになるのはいいことなのか悪いことなのか、それもおもいつつ。


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