「がんばらなくていいよ」に代わる言葉をみんな探してる
このタイトルは今週とても響いた言葉。表現の基本を思い出させてもらいました。
代わる言葉を探して、代わりに表現してくれる描写をして。
どんな表現が自分らしく一番伝えてくれるのだろう。
文章を書くときに常についてくるこの悩み。苦しんでいる方がかなりいると思うんです。
どこで聞いた言葉かというと、NHK Eテレの番組「言葉にできない、そんな夜」。番組には言葉のエキスパートである作家、作詞家、タレントがゲストで出演し、ある状況の時にどんな表現をするかを考える番組。
今回の状況設定は、「突然呼び出された友人の様子がいつもとおかしい。苦しみを吐露する友人の力になりたいけど、ありきたりの言葉では今の友人に伝えるにはふさわしくない。大切な人がつらい思いをしているとき、あなたならなんと言う?」
ここで引用されたのが、人気ドラマ「silent」。脚本家生方美久さんの一節。
パワハラで苦しんでいた主人公に駆け付けた同級生がかけた言葉です。
タイトルの「『がんばらなくていいよ』に代わる言葉をみんな探してる」は、この言葉を受けた音楽家wacci 橋口さんのお言葉。
「ずっと使われすぎると薬って効かなくなるのと同じように、『がんばらなくていいよ』という言葉が使われ慣れてきている中で、『やらせるための呪文だよ』はそれに取って代わる説得力のある言葉だな」
橋口さんはそう説明しました。
私も「がんばらなくていいよ」という言葉に何度も励まされてきました。私もみんなにそう発信したい。でも、私が「がんばらなくていいよ」という言葉で伝えると、もう効力が弱くなってしまう。もし、伝えたいことを自分らしく伝えるのであれば、「がんばらなくていいよ」に代わる言葉を探す必要があります。それが個性になると、文章表現の基本を再確認しました。
ゲストの満島真之介さんの表現も素敵でした。
「空、見に行く?」
本当に友人に使うそうです。そうするとポツリポツリと話してくれると。
とてもその人らしさが表れている言葉と感じました。
自分らしい表現に苦しんでいる方は、是非、この番組を見てほしいと思います。ゲストと一緒に考えて、あなたなりの表現をする練習になります。プロの表現や解釈には学ぶだらけ。
この番組は、言葉に重きを置いてお仕事されている方々がゲストで来たり、作家にお題の表現を依頼したり、作家の文章を穴埋めにしてゲストに考えてもらったりと、表現方法をかなり考えさせられます。プロの方の表現にはあなたも驚かされることが多いはず。
もっといい表現方法はないのか、語彙が足りないのではと感じている方には是非、見て頂きたい良質な番組です。
あなたなら「がんばらなくていいよ」をどう表現しますか。