フランのソーダブレッド
もう20年以上も前になる。
新入社員時代、英語も今よりそこそこだったけれど、分からないことを分からないままにできない性格が災いして、英語での説明の内容が理解できないからと、会議の全体進行を1時間止めたことがある。
イギリスからの出張者のティムが新しい技術を英語で説明する。ところどころ「Do you understand ?」と全員へ視線を送って確認する。
当然新人の私は日本語で説明されてもその技術がわかっていない。英語なら尚更。
なんとくわかった気がしたのは、頷いた。でも、全く分からないところは「No」と答えてしまう。
そうすると、ティムはなんどもわかりやすく説明する。そしてその説明内容が分からないといえばさらに詳しく長くなる…、で1時間私が本当に理解するまで、一つのちょっとした技術説明だけに費やされた。
そんなティムが一年後、日本に奥さんのフランと一緒にやってきた。日本に駐在することになったのだ。あの事件以来、仲良くなったティムとフランと私と旦那さんは歳が近いこともあり、すぐに仲良しになった。
六本木のイングリッシュパブへ毎金連れて行ってもらったり、イギリスの複雑なようでシンプルな定番のユーモアやスラングを教えてもらったり、女性だけの卑猥な会話で全く理解できない私が「〇〇って何?」と毎度聞くのが絶妙なタイミングで卑猥なワードだったりするらしく、一同大爆笑。Ruthは面白い!とお笑いの対象になったり笑、いつもフランの妹のように連れ回してもらった。
フランやフランの友人のディナーに招かれ、日本とは違う文化や大切にする事など沢山教えてもらい、私が教えられる、生花や書道、食材の知識を教えて知識を交換した。
イングリッシュパブのアイリッシュシチューとソーダブレッドを食べて「美味しすぎる〜」と脚をバタバタさせて喜ぶ私に、ティムが「フランが作るのはもっと美味しいよ💞」と言ってフランにキスをする。
「今度の週末作るからおいでよ」とフランが私たち夫婦を招待してくれた。
タイムとフランの日本の住まいはドミトリーのような狭い部屋、小さなキッチン。それでも綺麗に片付け、センスよく飾り付け、ロウソクを灯してとてもロマンティック。
そんな中で出される和製のお盆と和皿に盛られた、アイリッシュシチューとソーダブレッド。
本当に美味しかった。
「作り方を教えて。」と伝えて教えてもらったレシピがこちら。
フランのレシピを元に私なりに私好みの分量に変えたものです。
フランのソーダブレッド
材料
A. 全粒粉 250g
A. 薄力粉 200g
A. ベーキングパウダー 小さじ2(軽く山盛り)
A. 重曹 小さじ1(軽く山盛り)
A. きび砂糖 小さじ1(軽く山盛り)
A. 塩 小さじ1/2
B. 牛乳 230〜240cc(夏は少なめに)
B. ヨーグルト(無糖)大さじ3杯(軽く山盛り)
作り方
1. オーブンを200度に予熱する(焼き上げ時間は35-40分)
2. Bの材料を器に入れてよくかき混ぜておく
3. Aの材料を大きめのボールに全て入れ、泡立て器で粉をかき混ぜて空気を含ませる(粉ふるいをしても良い)
4. 3.のボウルに、2を加え、粉気がなくなるまで切るように混ぜる
5. バターを塗った型に入れる(パウンドケーキ型や食パン型など)
6. 上部を平にならし、真ん中にナイフで一本線の切り込みを入れる
7. 余熱が完了したオーブンに入れ、200度で35-40分焼き上げる
8. 竹串に生地が付いてこなければ、型から出して網の上で冷まして出来上がり