三分割法はなぜまとまりが良いのか?
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カメラを買って写真の構図にこだわり始めると、最初に触れるのが三分割法という理論だと思います。カメラのライブビューでも表示できるくらい定番の構図構成法の一つです。これだけ長い歴史のある写真において、昔から良いと言われている訳ですから、結果的にまとまりは良くなります。
ただ、なぜまとまりが良いかの言及はいくつかの本やwebページを見ましたがなかなかありません。この記事では、三分割法はなぜまとまりが良いか?を考察してみます。あくまで答えではないので、「説」として提唱していきます。
前提 三分割法の定義
まずは定義を確認します。画面の縦横を三分割したラインの交点に主題になる被写体を置く、または三分割のライン上に地平線や水平線などの線を置く構図構成法、というのが三分割法の定義です。
①副題を取り込みやすい説
三分割法を使うと、メインの被写体は中央から外れた場所に置かれますので、必然的にメイン被写体が存在しない空間が生まれます。ただ、この空間を遊ばせていると写真がスカスカに見えますので、空いたところに何かを入れたくなります。さらに言うと、何かを入れようとしなくても入ってくることも多いでしょう。つまり、写真内の情報量が増えます。情報量が多くなると、被写体をどこで撮ったか、どのような場面で撮ったかが分かるようになり、メッセージをより伝えやすくなります。本当にワンメッセージを副題なしで伝えるなら日の丸構図の方が良いこともしばしばありますが、例えば「海の近くを走る電車」のように副題が着く時、三分割法で被写体を配置すれば、副題を取り込むスペースを開けることが出来るわけです。
②視線を誘導できる説
3分割法の対角の交点付近に主題と副題をおく非常に良くある配置は、斜めに視線誘導を産む写真にしやすいです。写真をSNSで見るにしろプリントで見るにしろ、全体を引きで見るだけでなく細部にも目がいきます。その時、どこを見たら良いか迷う写真にはストレスを感じ、自然と視線が誘導される写真は心地よさを感じやすいと考えます。ちなみに、この効果を狙うためには、単純に3分割の交点に被写体を置けば良い訳では無いということもわかりますね。斜めに視線が流れるような「向き」の被写体が入っていないと、視線は斜めに動きません。
余談ですが、写真をSNSにアップした時の視線の動き方についても考えました。まずSNSの場合、スマホで読む文章の大部分は左から右の横書きです。つまりスマホを見る時、多くの人は左上方向から右下方向に視線が流れます。その流れに沿った視線誘導をした写真は同じ流れでさらっと見ることが出来ます。逆に右上から左下に視線誘導すると、文字の面と合わせてZ字に視線が流れます。Zの視線誘導は写真単品でも良い視線誘導と言われる視線の動きです。正直撮る時にそこまでは気にしないと思いますが、発表の時は写真以外のものも含めて視線の動きを気にしても良いかもしれない、という気づきです。
いざ試してみると言語化は難しく、ある程度ちゃんと考えられた理由は2つだけでした。結果的にバランスが良いなら使ったら良いじゃん、という話かもしれませんが、なぜその結果に至るかを考えるのも写真の撮り手としては必要な思考なのではないかなと思います。
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