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業務目標を気にしない

ビジネスパーソンとして変な癖を身に着けてしまいました。会社組織では大概、MBO(目標管理制度)というものがあって、期毎の業務達成目標を設定し、それが期末業績評価の基準になります。
 
私は二十数年間のサラリーマン生活で、業務目標を全く気にしない、期中に見ることも無いし関心も無い、という変な癖を身に着けてしまいました。なぜか。
 
私にリアルに面識のある御知人の方はお分かりかも知れません、私は第一印象が悪い傾向があって、よく言われるのが
・偉そう
・感情が無いロボットみたい
・気難しそう、近寄り難い
といったところなのですが、ある程度時間を掛けて知り合うと「実際は真逆なんだね」と言われる傾向があります。
 
まだ喋ったことも無いような人から「あの人偉そうだよね」とか言われてるよ、と友人から忠告されます。「どうしたらいいかな?」と相談すると「座り方かなあ」とか色々なことを言われ、「ふんぞり返る」ことが無いように椅子に浅く座って背筋を伸ばしてみたり、色々試すのですが、何も変わりません。
 
時々私の全てを一瞬で見抜いたかのように初対面で罵倒してくる方とかがいらっしゃって、そういうときは「例のパターンが来た」とか思いながら「なるほどー」とか言ってお聴きするようにしています。
 
さて、これが業績評価にどのような関連があるのか。これが、大アリです。
 
評価は人がする以上、主観的な印象や好みに左右されることから永遠に逃れられません。
 
そして、組織の上に立つリーダーに特有なのですが、「私は最初に顔を見た瞬間に、そのすべてを見破る」みたいな、根拠のない万能感にまみれている人が多いです。
 
すると何が起きるかと言うと、新しい上司が目を釣り上げて私に接してきます。「お前のことは見破った。お前の好きにはさせない。」わけのわからない足かせをはめての業務スタートです。
 
出世コースのエリートリーダーの方は2~3年でローテーションしていきます。3年後くらいになって、「うーん、長く接してきたが結局君のやっていることは一理あるし、結果も出ることが分かって来た」みたいに風向きが変わって来たりします。
 
そしてこんなことを言われます。
「でも今期の点数は最低点を付けてしまったからごめんな、次の上司にうまくアピールしてくれよな。」
 
次の上司が着任します。目が釣り上がっているのが分かります。
「見破ったり―!」
 
そんなことを二十数年繰り返しているうちに、業務目標を全く気にしない、というスタイルを確立してしまいました。何を言われようが、自分が信じたことだけをやる。評価とかは、勝手にあなたの基準でやってください。
 
この「第一印象のパワー」は強烈なもので、人々は「あなたは見かけ通りのこんな役割なのですよ」ということを意識的或いは無意識に強制してきます。あまつさえ、周囲の無意識の押し付けに迎合している間にその通りのキャラクターを身に着けてしまう、という本末転倒の現象が起きたりします。このことに悩んでおられる方は相当数いるんじゃないかと思います。
 
私自身がそういうことに長年悩んできましたが、強い鈍感力のようなもので何とかやって来れたような気がします。「ファニーな感じのメガネを掛けてみたらもうちょっと出世が早まるものだろうか」とか、「前世で相当悪いことしたから何か出てんだろ」とか、わりとそんなことを真面目に考えます。
 
極端な事例ですが、そんなことで悩んでいる人の参考になれば。でも、半世紀生きてきて、逆の悩みを持った人もいる、ということに気付いてきました。
 
第一印象が良いものだから、そのキャラを維持しなければならないというプレッシャーに疲れる。最初の印象が良いものだからそこから落ちるのが怖い。私からすれば羨ましい悩みなのですが。だから、割と「無いものねだり」の世界なのかも知れません。


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