遥か彼方には数多の星が瞬いていた。 其れ等の僅かな光を頼りに、夜と泥の世界は動きを始める。 夜と泥は、自ら以外の何かを作りたかった。 交わって、離れて、そこから泥…
ユキムラ・ミフネ
2023年3月15日 09:41
遥か彼方には数多の星が瞬いていた。其れ等の僅かな光を頼りに、夜と泥の世界は動きを始める。夜と泥は、自ら以外の何かを作りたかった。交わって、離れて、そこから泥人を幾つか生み出す。しかし泥人は何も語らず、ただ微かに蠢くのみ。それでも夜と泥は、「子」らが愛おしかった。しかし泥人は、やがて「親」の中に戻ってしまう。夜と泥は、独り立ちできる「子」が欲しかった。欲しかったが、ふたりだけではそれ