名も無き世界の誕生、そして……①
遥か彼方には数多の星が瞬いていた。
其れ等の僅かな光を頼りに、夜と泥の世界は動きを始める。
夜と泥は、自ら以外の何かを作りたかった。
交わって、離れて、そこから泥人を幾つか生み出す。
しかし泥人は何も語らず、ただ微かに蠢くのみ。
それでも夜と泥は、「子」らが愛おしかった。
しかし泥人は、やがて「親」の中に戻ってしまう。
夜と泥は、独り立ちできる「子」が欲しかった。
欲しかったが、ふたりだけではそれ以上に為す事は叶わなかった。
遥か彼方の世界から、幼き星がひとり迷い込む。
幼