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chiyoizmo
3-4 失敗予算 #ソフトウェアと経営
ソフトウェアと経営マガジン第25回です。沢山の施策を試そうという時、そのダメージが気になることは多いのではないでしょうか。ソフトウェアの世界ではSRE(Site Reliability Engineering)という方法論の中でそうした事象の取り扱いを体系化していますが、この考え方を事業全体に適用することについて書いています。
記事に対する疑問や感想、意見などTweetや記事へのコメントをいただければ、今後のコンテンツの改善に役立てさせていただきます、よろしくおねがいします。
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本節のまとめ
・改善施策を進めるためには失敗のコントロールが重要になってくる。
・どんな施策であっても、失敗は付きまとう。このダメージの振れ幅を予測しておくことが重要だ。多くの場合振れ幅の大きさは立ち向かう不確実性の大きさに比例する。
・ソフトウェアの世界には、システムの健全性を示すSLIという指標、およびそのSLIを目標値以上に維持する稼働率目標としてのSLOという指標がある。一定の停止を予算として組み入れることで、改善活動およびその失敗を許容しやすい環境が作れるのだ。
・失敗によるダメージの最大許容量をKGIやKPIのマイナスとして定義し失敗予算として持っておくことで、改善施策を行う際の失敗の許容量の目安となる。一人ひとりが自律的に改善活動に取り組むためには、こうした失敗の予算化が重要だ。
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探索にはコストがつきものだ。特に失敗を招いた際には何らかのダメージもあるだろう。沢山の探索を行い、沢山の失敗をしていこう、とはいうものの、このダメージによって事業が立ち行かなくなってしまっては元も子もない。また、稀にある不可逆な性質をもつ施策、例えば法令などの関係で全体に一度に適用せねばならないものについては沢山失敗していこうというわけにはいかない。本節では普段多く接する可逆な施策に的を絞り、このダメージコントロールとしての失敗予算という概念について考えていく。
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