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Gross

人間とは、現実とは妙なもので
噂や陰で生まれる言葉によって殺されることがあって

「現実は小説より奇なり」とはよく言ったもので

人間はいつ裏切るか分からないし
こんなことを語る私の命が
いつ危ぶまれる機会に合うかは未知で

私もそんなことが起こるなんて思ってなかった。


大学でありもしない噂をたてられた。

ある日、だれかのものが無くなった。
そのものが無くなった現場、見つかったのもその場で

その部屋にいたのはたまたま、私だった。

必死になって探しに来たその子。
血色のない顔をして探す彼女の顔を見て
私は心配でいっぱいだった。

見つかったら教えてあげよう、そのくらいでいて
数日経って、彼女はSNSに見つかったとの報告を載せた。

私もそれを見た時は安心したし
心から良かったと思えた。

良かったね、ともメッセージを送った。


けど、後日

「隠したのは○○ちゃんで、わざわざ連絡してきてまじ怖い」


そんなことを言われた。

声が出ず、息が吸えなかった。

空気中の酸素が全部なくなってしまったような感覚。


そんな悲しいことが起こるなんて。

私は人が思うよりも、いろいろ考えすぎてしまって
同情しすぎるし、自分では困るくらい人の痛みは手に取るように感じてしまう。

だからものを失くす不安感は分かるし、
そのものにどんな思い入れがあるかなんて想像したら
きっと眠れないだろうな。

本当に、心配してたのに。

本人から発された嘘。

色んな人に言いふらしてるのを考えたら
いじめ、と言えばいじめだけど

そんなものじゃない。

私自身が蔑まれてることが本当に許されないのだ。

たくさんの人に愛されて育ってきて
苦しい思いも辛い思いも、
時には病気、怪我の辛さも味わってきたのに

そんな私が、他人のものを失くすだって?

その子と面識はほぼなかった。

オンライン授業がほとんどだったから、
知ってる子も数えられるほどで
嫌いな子ができる所までも来ていなかった。


なのに、自分が失くしたことを
私のせいにするなんて。

でもその子が失くしたものは
彼氏からのプレゼントだった。

失くした不安とショックで
きっと私に当たったんだろう。

信じられないけど、
私はやってないのだから胸を張っていられる。

けどその子は先日、
その彼氏に振られた。

ツケって本当に回ってくるんだなと
改めて感じた。


私はすごく運が悪いし、
良く変なことに巻き込まれるんだけれど
その分学んでやろうと、
自分は立派な人間になってやろうと
運命に立ち向かう。

人を苦しめる、いじめや陰口なんて
何も生まないし、むしろ自分に返って来る。

私は小さい時から周りへの意識がすごくあったから
周りと比べて自分に自信がないと、
すぐ陰口を言ってしまった。

その時に先生から
「鳥と獣とコウモリの話」をされた。

喧嘩した鳥と獣。
その間にいるコウモリは、
毛が生えてるから獣、翼があるから鳥、と
中間の立場にいたけれど、
ある日鳥と獣が和解して
お互いからあっちいけ、とされてしまうお話です。

本当に、私は誰もいなかった。
自分だけ周りと精神年齢が合わず
つまらない話ばかりする
友達の話についていけなかった。

だから、一人でいようと思ったけれど、

高校の時に出会ったある人に
人との繋がりを大切にしなさい、と言われた。

きっとそれはあなたを助けるから、
横の繋がり、縦の繋がりを大切にしなさい。

そう言われてから、不器用なりに
自分に自信がないままではいたけれど
一生懸命に生きた。

ある時
「○○ちゃんの魅力は、すぐには分からないから焦らなくていいよ」

そう言ってくれる女の子が現れた。

私の何かが動いた。
私が常に気を配っていた細かいところや
他人を思う気持ちに、気づいてくれた人がいたのだ。


私はその言葉で何度生かされたか。

私の良さなんて、薄っぺらい関わりじゃ分からない。
だから、知らない人は私の秘密を知らないのか。
残念だな。


いじめるのか、そうか。
この私と楽しく過ごす方じゃなくて、
敵として見なすのか。
残念だったね。


そう思って生きることにした。
知らないって本当に怖くて
噂で聞いたことで知るものなんて
その人やものの0.0001%にも満たなくて

全部知ったかのようにいるなんて
本当にもったいない。


気持ちの悪いことを平気でできてしまう人には
失望するし、すごく腹が立つけど
いろんなチャンスを逃すんだろうな、
そう思う。

そう思うことでしかやって行けない気もするけど
きっとそうじゃなくて
人を傷つける痛みを知らないで生きるのは
本当に怖いことで

知ってる人にはその人しか知らない世界が広がってて
考えすぎも辛いな、世の中ってクソだな、と思うけど

鈍感よりはマシかな、笑

なんて、こんな戯言。

されど、こんな戯言。

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