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【2019年】家出後ひん死状態で発見した飼い猫を介護し、いま元気元気

こんにちは、ユキッ先生です。
ラジオ番組とアプリゲームを10年ずつ作っていた人です。

前回までのこちらの記事のラストに、「自分の入院よりも猫介護のほうがしんどかった」というエピソードに言及しましたので、今回はそのお話です。

以下は、友人限定で公開していたfacebook書き込みのテキストを基本に、ラストなどちょっと加筆修正しました。だもんで、いつもとちょっと文体のテンションも違うかもしれません。

わが家のかぎしっぽ猫2匹、名前の由来

名前は「サク」ちゃんと「オリ」ちゃんです。生まれは大阪の八尾。
2008年、知人のおうちのガレージで子猫が4匹生まれ、里親探しをされていました。当時マンションを買ったばかりの私は、パートナーとして1匹お迎えしてもいいかもな…と考えていて、スカウトしに現地へ赴き、4匹の仔猫を見せていただきました。

めちゃくちゃかわええやないか!!!!
1匹だけとか無理無理無理無理!!!!!

帰りの近鉄電車で、私は2匹をペットキャリーに入れていました。
2008年、8月のことです。

1996年に生家を出て以来、私が迎えた初めての家族です。

その夏、沖縄出張の大きなお仕事を終え、ちょうどRSRから帰った頃にお迎えしたという背景と、見た目が「牛っぽい白黒ハチワレ」と「ゴーヤーっぽい白キジトラ」の子だったので、「サッポロクラシック」と「オリオンビール」からそれぞれ「サク」と「オリ」と名付けて、共に暮らし始めました。

「一人と2匹暮らしだったのが、その後同居の人間が一人増え、おかーちゃんからもうすぐまた一人が出てくるぞ、というタイミングでサクオリも初めての引っ越しを経験して、結果、わが家は4人と2匹の大家族になっておりますね

2019年10月、サクちゃん不慮の家出

そして忘れもしない2019年10月25日金曜日のことです。

保育園のお迎え後帰宅して、晩ごはんに片づけなど、お子のお世話をあれこれして。あら、なんか変だな、と思って過ごしていたら、サクちゃんが見当たらないぞと。
いつもお子の騒がしさを避けるので、まあどこか部屋の隅にいるんだろうと軽く考えていたのですが、翌日になっても姿なく、もしかして家出…? となったんですね。

思い起こすと、朝のバタバタな支度の末、大小の人間4人が同時に出発するときに、スルスルっと玄関から出ていったのかもしれない…となりまして。
それから2日は終日静かに雨の降る天候で、日に日に寒さが厳しくなってくる折。

ご近所に「サクちゃーん」と呼んで回ったり、近くの主のような家猫にお願いしてみようと通りかかってみたり、知り合いに情報提供を求めたり、迷子猫チラシを作ってみたり(配るまではいかなかった)…。

このときはそれでも、ひょっこり帰ってくるのでは、という楽観がありました。

意外と近くで、でも難しい場所で見つかる

週末明けて月曜早朝、夫婦ともお世話になっている知り合いのかたからLINEで情報をいただきました。

「おたくのマンションと隣のビルの隙間に、それらしき姿が見えたよ」

えええええええええ!?
急いで部屋の前の通路から真下を見ると、確かに黒い猫が隙間にいるような…?
「サクちゃーん」と上から呼んでみたものの、返事なし。
(サクちゃんはふだん、呼んだら「ンナ゛ーーーー!」と返事をする、ふしぎ猫なのだ!)

ちょっとあんまりこのあたりの順序を覚えてませんが、とりあえずいつものルーティーンで子どもを登園させたあと、「サクちゃーん!」と呼びかけながら夫がその隙間に入っていきました。

隣のビルの管理者らしき人に、上から「勝手に入らないで!」と怒鳴られながらも、夫は10分ほどでワイシャツを真っ黒にして、サクちゃんを抱えて帰ってきました。
(余談ですが、あの隙間には夫でないと入れないな、物理的に。私は夫の正体を、丹波の山に隠れている忍者か、化けて出た狸だと、0.01%ぐらい本気で思っています)

抱えられたサクちゃんはといえば、反応はないが息はあり目は開いてる、けがはなさそう、カリカリを近づけても食べようとする気配はない。
私たちはそれぞれ午前半休を取って、急いで動物病院へ連れていきました。

厳しかった動物病院通いデイズ

まずは獣医さんに診ていただき、指示にしたがって病院に半日預けて、点滴をしながら各種検査をしてもらったところ、先生いわく、「いろんな検査結果の数字が乱れていて、いろいろ投薬や処置を試してみないとわからない」ということ。

ぐったりと全然動かない、ひん死状態でした。
実は部屋のすぐ近くの距離で助けを待ってくれてたわけで、そのうち帰ってくるよね…と楽観視していた時間が悔やまれます。
家猫は4日絶食で屋外にいるだけで、そこまで弱るということを学びました。


それからは週3で動物病院へ点滴に通いつつ、薬と療法食をもらう日々。
肝臓? 心臓? 腎臓? 呼吸に異常はないかな? 毎回検査です。

困ったのは、免疫が弱くなってるので、脱毛して皮膚にカビが生えること。
皮膚が細菌に負けて、何もしてなくても四肢に傷ができること。
動物病院に一緒に子どもを連れていくのも大変なので、義母に相談して、泊まりで来てもらったり(実は産後初めてだった)。

年末に差し掛かって数値が安定しはじめてちょっとだけましになり、通院は週2、週1に…
なんとか自力で動くようになり、呼ぶと返事をするようになり。
液体なら舐めるようになり、おやつカリカリなら手から食べるようになり。

想像以上にしんどかった猫介護&家事育児仕事


見つかった日から最初の1週間は、獣医さんに「覚悟してください」といわれるレベル。実際、虫の息のサクちゃんを、夫が「あ、もうすぐ呼吸が止まるかも…」といって撫でつづけた夜もありました。

排泄もコントロールできない状態で、ちょうどトイレトレーニングが終わって、余っていた娘のおむつを付けていました。
回復の過程でも、皮膚にカビが生えたときには、お子らと接触しないように交通整理が大変で。寒い季節なので、少し体力回復した頃には夜中に布団に入ろうとするけど、布団の上にソフトケージを置いて、ぬくもりは共有できてもお子らと皮膚接触しないように工夫しました。

しんどかったのは給餌で、腎臓機能が低下していると自力で食べないので、鼻から胃に通わせたチューブに、液体のフードと、粉砕した薬を定期的に注入する必要があるんですね。これを、登園後~通勤前と、帰宅~お迎え前にやる。

仕事と育児と猫介護。(年末まで実は息子まだ夜間授乳もしていた…)これはシねるぞ。

だがサクちゃんにはまだ底力が残っていた!

あと、やはりペットなので医療費がすごい。1か月分の給料が1週間でなくなっていきました。家計面でのトリアージも考えていて、「○○万円以上かかるなら、残念だけど、もう受け入れよう…」と、家族会議もしました。亡くなった場合の手続きとかも、たくさん調べました。

いまとなっては知っておいて良かったことです。

それでも獣医さんはサクちゃんに「底力が残っていた」とおっしゃってくださり、年明け1月、2月…何とか体力が回復していきました。2月後半あたりの時点では自力で食事もできるようになってきて、そこからは何とか持ち直しました。

この頃同時に世には「Covid-19」が現れており。正体が明るみになっていくにつれ、その影響力に世界がどんどん変わっていきました。時期的に、あの不慮の家出がもし1か月後だったら(そもそも寒さが厳しいから、発見時の状態がさらに悪かった可能性だってあるし)。初期の動物病院通いがコロナ禍と重なっていたら、と考えると…

ダメだったかもわからんね。サクちゃんも、私のメンタルも(夫も)。

2021年9月現在、サクちゃんは

とっても元気です。
ちょっと大きくなった子どもたちは騒がしいから苦手な、わが家きっての頑固ジジイの風情です。13歳だからね。人間の年でいうと68歳ですって!!

でも、私が在宅ベースの仕事を始めたことで、猫たちは久々の「おかあちゃんとの生活」を喜んでいるようにも見えます(母のウヌボレ)。

サクちゃんはいまも同じ部屋で、夫の脱ぎ散らかした服の上でお昼寝中です。介護していたときは病院の匂いからか、別猫を見るような態度で警戒していたオリちゃんとも、元のように仲良く暮らしております。

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呼んだら返事をするサクちゃんの動画、こんどアップしてみますね。

おしまい。


カバー写真 / サクオリ3歳ぐらいの頃



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