無題~肆~
心が疲れ果てた時、体が倒れしまう事を願う時。
「もういいか」
そう考えてしまえる時。
しばらくの間を置いて、倒れかけている心を起こそうとする事が起こる。
それはまるで「運命なるナニカ」によって起きているかのように。
「まだその時じゃないぞ」
という無言の言葉と共に。
優しさによって傷つき続ける人が、優しさによって優しさを捨てようとするその手を止められる。
自分を傷つけ続けるその性質が、自分自身を救う。何度でも。
梅雨が漸く明けそうな夕暮れの空色に薄橙色に、澄み切る透明感を覚えるのは。
きっといつもの事だろう。