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【人間観察】私の周りにいる愛すべき人②人生に楽しいことはいっぱいあると教えてくれる人
今日は、私の周りにいる愛すべき人々の1人、アンドレアのことを書きたいと思います。とにかくフレンドリーで人生を楽しんでいる感じが好き。話すたびに人生には楽しいことがいっぱいあることに気づかされます。
誰もがなにかを抱えているんだけど、誰の周りにもいいこともいっぱい転がってることを教えてくれる感じ。
どんな人かといいますと………
彼は前の家のご近所さん。長身でメガネをかけており、年齢は50代後半。
北イタリア出身で私達よりも5年ぐらい早くイタリアから家族で移住してきたのだそう。だから、私達が移住してきてすぐに、いろいろとお世話になった。いい公園、いいお医者さん、おすすめのお店などの生活情報や学校のことなど、住んでいるからこその情報を立ち話でよく教えてくれた。
家族は、イタリア人の奥さんとティーネージャーの息子さんが2人。
今では家族ぐるみで夕食を共にする。たまにね。
その夕食の席でみんなに数学の問題を手品っぽく披露してみせる。大学では数学科だったそうで、数学への情熱が感じられる。そして子ども達に興味を持たせるのがすごく上手!
映画も好きらしく、時々「これ、おもしろかったよ」とwhatsappで教えてくれる。音楽・歴史・宗教など好奇心旺盛っぽい。
ここに惹かれる
ルクセンブルクに来てから、彼は「主夫」で家事・育児全般を引き受けていおり、就労はしていないよう。イタリアでは、長年、大手通信会社で営業をしていたんだけど、奥さんの転勤に伴い退職し、家族で移住したのだそう。どうして仕事をしないのか、理由は知らないし聞かない。家族でそういう役割でいこうと決めたのかもしれないし、そうは見えないけど持病があって仕事はできない身なのかもしれない。でも、理由はどうあれ、現代社会の中で、仕事をしないで、心から楽しく生きていくことがそんなに簡単ではないことを私は知っている。人の価値は、決してどれだけお金を稼いでいるかどうかではない。絶対にない。でも、この資本主義で生きている限り、そこと結び付けて意識する人、苦しむ人は多いと思う。昔の私も含めて、専業主婦で生きづらいと感じる人も、キャリアがうまくいかない人も、どんなステータスでも、意識する人は多いんじゃないだろうか、と思う。彼はそういうの、ないのかな?いや、きっとあるけど乗り越えているんだろうな。
今、彼は、市が主催する子ども達の学校への登校を付き添うアルバイトのようなことをしている。その際に毎日会う子ども達に1問なぞなぞを考えていくのだそうだ。子ども達が楽しみに待っていることが嬉しいと言う。
小さなことかもしれないけど、こうやって、一事が万事、周りの人を楽しませる姿勢や自分も好奇心に任せて楽しそうに探求する姿は尊い。
影を垣間見た
1回だけ、アンドレアの悲しそうな姿を見た。近所でばったり会って、今にも泣きそうな表情だった。奥さんと喧嘩をして別れるかもしれないと言ってきた。もう10年以上も会社で働いていないのにこれからどうすればいいんだろう………と。聞くことしかできなかった。でも、数日後、夫婦そろって世間話をする機会があって、「あぁ、別れ話は消えたんだな、よかった」と悟った。そのことについて、私からは、これからも絶対触れない。
でも、そのことがあってから、あぁ、アンドレアも悲しみというか不安というかを抱えながらも、いつも、私に対しても私の家族に対してもフレンドリーで面白いこと、楽しいことを探し、それを共有してくれているんだなと思って、ますます親近感が募った。それが今の彼の潔い生き方なのかもしれないな。私の周りにいてくれて、感謝です。
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