28/100 『きれいなシワの作り方』　村田沙耶香

『コンビニ人間』で芥川賞を受賞した
村田沙耶香さんの
「大人の思春期病」をテーマに書かれたエッセイ。

メチャメチャ共感する部分と
気にしすぎでは？と思う部分両方あって
その「気にしすぎでは？」と思ってしまった理由に「あとがき」で
ハッとした。
このエッセイはアラサー時代に書かれたもので　あとがきの書かれた39歳（いわゆるアラフォー）の村田さん自身も
「もがいていたなぁ」と驚いていた。
そうだ　帯にも「悩み多きアラサー芥川賞作家の赤裸々エッセイ」と書いてあった。
私自身なんだか遠い記憶みたいに
なってしまったけど
確かに　私も30代半ば頃
思い悩み苦しかった時期があったなと思い出した。
結婚しなくちゃダメなのか問題とか
出産のタイムリミット問題とか。
毎度毎度飲みの席やら久々に会った人から投げかけられる挨拶がわりの
「結婚しないの？」に嫌気がさしてたあの頃。
父に会えば
「孫はまだか？」のプレッシャーと
申し訳なさ。
とにかくしんどかった。
この渦中にいる私に未来の私からひと言。
もうひと踏ん張り！
じきになんも言われなくなるから！

で　40を過ぎたら　なんだかいろんなことが
どうでも良くなったというか（いい意味で）現状はなにも変わらないのに　
すんごく楽になった。

年齢に中身がまったく追いつかなくて
うまくおばさんになれない自分も
まぁ　これはこれでと思う。
無理に若作りする必要もなければ
無理におばさんになる必要もないと
思うようになった。
43という数字がそこにあるだけ。
築43年の建物なんかを見ると
「私ってこんな感じか…」
なんて　軽くショックを受けつつ
そっか　43年頑張ってくれているこの器をちゃんと労ってあげなくては。
大切に使わなくては　なんて自分を
慈しむ気持ちが湧いたりする。

今が一番楽しい！とも思わないけど
30代の頃より
随分楽に生きれるようになったなとは思う。
いつ迎えるかわからない
更年期に　怯えてはいるけども…。
この今の感情さえも
そのうち　遠い記憶になるんだろう。