
- 運営しているクリエイター
#まち歩き
(試作 パイロット版)(学園もの→まち歩きものに見えて、じゃないストーリー Bパート6-2)
ゆっくりと自然に手を伸ばす。反射する白色の大理石風の壁に私の手は、吸い込まれそうになって
ぴとっ。
伸ばした指先に、ひんやりした感触が伝わる。
現実は一歩も動く気がないみたいだ。まあそりゃそうだけどさ、我ながらひどい妄想。今に始まった話じゃないけれど。
先に進む。やけに明るかった場所は、ショーウインドウみたいな、アートの展示スペースだった。さっきのへこんでいる壁と同じくらいの大きさのガラスの向こ
(試作 パイロット版)(学園もの→まち歩きものに見えて、じゃないストーリー Bパート6-1)
ここはどこだよ。
正面の壁を前に思わずつぶやいた。そこには地下街が広がっていて人々が行き交うはず、なのに。
元はといえば、ターミナルの地上でロータリーや王冠のマークのデパートに向かいに立って見回した。そしたらそっぽを向いてるこの入口を見つけて、地下階段、この間降りた所のすぐ隣を転がり落ちる石のように駆け下りた 、
なんということはない行動、だったんだけれど。
右をちらっと見る。そのさらに90度右、
(試作 パイロット版)(学園もの→まち歩きものに見えて、じゃないストーリー Bパート5-2)
「なんだか、かわいい」
急に声が聞こえた気がしてわたしは振り返った。
どこかで聞いた声。まさか、と思ったけれど、予想は外れていて自分が見覚えが有りそうな人は誰も居なかった。でもビルの上、看板の広告の内一つ、商品はシャンプーだろうか、どこかで見たような顔に見えた。もう一度ちゃんと見直す。
写真は好感度の高い、ある若手女優のものだった。華やかさも年齢も勘違いした子とは別物だ。そんなはずは無い、よね気の
(試作 パイロット版)(学園もの→まち歩きものに見えて、じゃないストーリー Bパート5-1)
夕方がやってくる。わたしはまた、地下通路からコーシューの出入り口の階段を上がる。この間の続き、右のターミナル方向を向いてみる。
左側には、わたしの腰くらいの高さの低い木が植えてある。まとまっていて、ひとつの木の大きさが分からない。もこもこ、と生えそろっている感じが緑色の雲を連想させる。
その緑雲の林を切り開くように、自転車置き場がある。色とりどりの自転車の下、黄色と銀色の車輪置きが、鉄塔を立てる大
(試作 パイロット版)(学園もの→まち歩きものに見えて、じゃないストーリー Bパート4-2)
ふと、考えてしまう。自分もいつかは良識と分別を、性格に取りそろえた大人になるのだろう。
でも、そんな良識と分別は本当に自分にとって今この瞬間、必要なものなんだろうか。
そうじゃない。今はまだたぶん、としか言えないけれど。
かといって、滑り台やブランコで遊ぶ勇気もない。多分今日のゴールはここじゃない。進むしかない、んだよね。
ターミナル方向に歩くと公園は途切れ、遊歩道はアイボリーベージュ、
(試作 パイロット版)(学園もの→まち歩きものに見えて、じゃないストーリー Bパート4-1)
『Y』の文字が、気がついたら高速道路に見えることがある。なんておかしいよね。自分のことなんだけれど。シントシンには不似合いのお寺の横。Yの字高速道路を見上げながら、また歩き出した。
コーシューの右側を東、幅4mくらいの歩道をターミナルの方へ進んで行く。高速はお寺の敷地の端あたりで、高度を下げながらぐっと左90度に曲がる。この間気づいた通りスロープを下って普通の道になるのだろう。わたしが最初に、橋の
(試作 パイロット版)(学園もの→まち歩きものに見えて、じゃないストーリー Bパート3-2)
そうなるともう一つ気になることがある。『Y』の右上に進むとどうなるか、だ。
ちょうど交差点にぶつかった。ちょうど信号が点滅する。慌てて向こう側に渡る。すぐに90度右の信号も青になった。
多分もうそんなに時間がない。横断歩道、白い線を飛び越えるように走った。
渡りきったわたしの目の前にあったのは、土色の塀だった。表面はザラザラな感じ、上には瓦が乗っていたり、シントシンとはほど遠いイメージ。なんだこれ
(試作 パイロット版)(学園もの→まち歩きものに見えて、じゃないストーリー Bパート3-1)
また、コーシューとカンロクの交差点を渡り、この間の続きを歩いている。
ジャイアントマンの横をこっそり通り過ぎた。
あいさつはしなかった。ばからしいと思ったからじゃなく、いらない、と思ったから。区切りをつけなくてもいいことだってある。多分またジャイアントマンはずっとあごかがくがくさせているだろうし、太陽型の広場も当分あるだろう。人に成長してもアザラシは結局アザラシだろうし。これは関係ないけれど。
交