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新宿周辺ストーリーもの(習作初期稿不定 仮題G.T.J.V)

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仮題の全文:GreatesT"rip" Jun"V"oyage ー人がうらやむようなすごい旅に出てみよう、なんてー (2023.11.22 加筆) 引っ越し予定です。 2008…
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#西新宿

(試作 パイロット版)(学園もの→まち歩きものに見えて、じゃないストーリー Bパート6-3)

(試作 パイロット版)(学園もの→まち歩きものに見えて、じゃないストーリー Bパート6-3)

「一緒に来ない? 世界が変えられるかも」
鏡に光に反射するように声が聞こえてきた気がして、急いで右を見た。
道の先はコンクリート色の、ただの駐車場だった。声の元になりそうな人はいないし、ましてや同志を勧誘するレジスタンスも、志願者を求める未来警察もいないいる訳がない。
何を動揺しているんだろう、実際に聞いていない言葉が聞こえるなんて。
でもここにいると、世界がひとつではない気がしてくる。別に地球の

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(試作 パイロット版)(学園もの→まち歩きものに見えて、じゃないストーリー Bパート3-2)

(試作 パイロット版)(学園もの→まち歩きものに見えて、じゃないストーリー Bパート3-2)

そうなるともう一つ気になることがある。『Y』の右上に進むとどうなるか、だ。
ちょうど交差点にぶつかった。ちょうど信号が点滅する。慌てて向こう側に渡る。すぐに90度右の信号も青になった。
多分もうそんなに時間がない。横断歩道、白い線を飛び越えるように走った。
渡りきったわたしの目の前にあったのは、土色の塀だった。表面はザラザラな感じ、上には瓦が乗っていたり、シントシンとはほど遠いイメージ。なんだこれ

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(試作 パイロット版)(学園もの→まち歩きものに見えて、じゃないストーリー Bパート2)

(試作 パイロット版)(学園もの→まち歩きものに見えて、じゃないストーリー Bパート2)

階段を下りた左に待っていたのは、未来でも四次元世界でもなく、ひとりの男だった。
ベージュとブラウンと大理石風のタイルで敷き詰められた円形の広場。場所は地下1階くらい、円形劇場を思わせる感じ。彼はその中央に立っていた。
でかい。
おおきい、ではなく。『ジャイアント・マン』と勝手に呼びたくなる。普通の男の4倍くらいの高さ。横幅は倍くらいだから、ひょろっとした感じ。でも油断すると踏んできそう。どしん、ぺ

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(試作 パイロット版)(学園もの→まち歩きものに見えて、じゃないストーリー Bパート-1)

(試作 パイロット版)(学園もの→まち歩きものに見えて、じゃないストーリー Bパート-1)

 夕方が来て、また高層ビルの足下を歩いている。目的は無くなって、何を探しているのかも分からないのに、塾までの時間を埋めるための、この間の続き。
 橋の途中から、スロープが続いている右側、ターミナルの反対へ。
 橋を渡りきると、てっぺんが尖った形のビルが3本、高さをかえて並んでいる。長さが違うところが、何となく中指薬指小指をそろえた時みたいな形だ。その足下には消防署。消防車救急車は停まっていて、今の

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(試作 パイロット版)(学園ものに見えて、じゃないストーリー5)

(試作 パイロット版)(学園ものに見えて、じゃないストーリー5)

「いい名前。ミノルは教室の教壇の上にスカートひるがえして仁王立ちし、すべての者達に叫んだ。『こんなことやってられるか。お前達、目を覚ませ! この社会がくだらない、腐った場所だってことに、早く気づけ! 
それまで、わたしは旅に
「出ない」
「出ようよ」
「嫌だ。というか勝手に人のキャラを作るな。あと、名乗って。人の名前は聞いてきたのにフェアじゃない」
 にらんでみる。風は男の子みたいに短いわたしの髪

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