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最もシンプルな「オンライン教育の意義」を書きます.

教育に関わるのが面白いのは、社会の今をよく指し示しているから。未来を描けて、それを実装できている国は、実はほとんどないと思います。教育だけが遅れているなんていうのは実は大きな幻想。だって、FAXが普通に使われて、ハンコがないと何も進まない国です。少なくとも先月、2020年3月までは。

学校や塾、進学システムなどからなる教育エコシステムは、学ぶ側にとっては、社会とどうにか折り合いをつけながら、自分のことは自分で決める自由を獲得するための手段だし、社会にとっては、経済・科学・人文的発展はもちろん、ただ社会が存続していくために必要な素地、これをつくる作業です。

小学校から、高等教育までの流れが、人類の知識発展史を、枝分かれしながらなぞるようになっているのは、それが人生の前提となる社会の成り立ちそのものだからです。丁寧に設計された教育課程を体験することは、人間の受精卵が、哺乳類の進化史を辿るかのように発達していくのと、ちょっと似ています。とはいえ、数千年の歴史のすべてを十数年で追体験するのは不可能です。なので私達は、社会の「今」に向かって、できるだけ最短距離になるよう、アップデートしていくわけですね。

今回の新型コロナウイルスを発端に、教育のオンライン化が半ば強制的に進められていますが、これも社会の今を映しているだけ。教育者の中には、そこに自分自身のアイデンティティを重ね合わせ、オンライン化や、ICT活用の意義を見つけようとする人もいますが、そんなことをする必要はないのではないか、と見ていて思います。社会の変化がそっちに向いている。それが全てです。

基本的に、教育環境というのはどんどん良くなっていると思っていて、今の子どもたちの世代が羨ましいと感じることが本当に多いです。新型コロナは大きな混乱を産んでいますが、学校の先生を含めた大人が社会の大変化に合わせて変わろうとする、挑戦しようとする、そういう現場を目の当たりにできることは、きっと子どもたちにとって大きな財産になり、巡り巡って、社会を大きく変える原動力になるでしょう。

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