死んで欲しい人間の話

わたしには死んで欲しい人間がいます。唯一ひとりだけ。その人は私の祖母であり、私はそのひとの孫にあたります。
とにかく死んで欲しい。
今まで何となくそんなことは言ってきたけど、ここまで直接的な言葉は使わなかった。過去に囚われ続けるなと父親にも言われたし、家族なんだから、というまじ定型文な意味わからんことも言われてきた。
でも死んで欲しいんだもん。
その人と血が繋がっているのも嫌だ。顔も見たくない。同じ空間に居たくない。中学生の頃は夕飯を一緒に食べたくないから、夕飯を抜いてた。10キロ痩せてラッキーだった。
存在が無理。
私は基本的に博愛主義な方だとは思っているので、自分ではね。誰かを恨んだり、ましてや死んで欲しいなんて思ったことは無いですよ、その人以外にはね。
書いてて憂鬱になってきた。
あーーー、やだ。
別にその人にされたことをここにつらつらと書くつもりは無い。意味が無いから。
でも、いい加減形にして昇華しないとな、という気持ちと、ぜって〜おめえのしたことを忘れないし許さない一生恨んでやるという気持ちがせめぎ合っている。
まぁ書いたところで許せやしないんだろうが。

下品。
一言で表すなら、そのひとは下品。
なにもかも。
仕草も言動も思考もすべて、全部下品。

好きな下品もありますよ。でも、そういうのって、上手く言えないけど、可愛らしいなって思うじゃないですか。風俗嬢時代の客も下品(そりゃ下品なことする場所だし、下品になりに来る場所だから)だったけど、そういうのとは違う。
あー、もう下品がゲシュタルト崩壊した。

きらいきらいきらい。
そのひとは認知症が進んで、実家にいる時はぶたれたりしてたし、暴言なんて日常茶飯事。そんなに私が憎いなら殺せ!と言われて、包丁を持ち出したこともあった。殺せばよかったのかな。
死んだら一生お前を恨み続けると言われて、笑った。おなじだね。

あのひとはきっと誰にも好かれてない。
父親はまあ母親だからなあとは言っているけど、私にだけ誰にも言うなよと、そのひとの最低最悪品性下劣な過去を打ち明けてきた。父親も辛かったんだろう。
母親は当然きらいだろうね。
姉たちもまあきらいだね。
曾孫なんてそのひとに近寄らないからね。
子供ってすごく敏感なんだなって感心した。
祖父はもう死んだから分かんないけど、きらいだったろうな。
だって好かれることしてないもん。なにも。
周りにひとがいないもん。
コイツやな奴だけどここはいい所だな〜みたいなの1個もないもん。しらんけど。

両親には、悪いけどそのひとの葬式には出ないかもしれん、と言ってある。まあ、言ってるだけだよ結局。世間体とか、親戚たちの目とか、そういうので結局出なきゃいけなくなるんだろうけど。そのくらいの気持ちなんです、という表明はしているし、両親も別にそれに対して何も言わない。

今は彼氏の家に転がり込んでいるので、そのひとに会わずに済んでいて、すごくストレスフリーになった。ただ、父親は単身赴任で週末しか実家に帰らないから、母親には申し訳ないと思っている。
私がいれば、愚痴を聞いて欲しいだろうし、それで母親の負担が減るのならば全然聞いてあげたいよ。
でも、
やだわ、もう、解放してよ。

ねえ、お願いします。死んで。

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