香港慕情 エピソード9(2023:9/5)
ラスト飲茶ラスト湾仔
午後の便でいよいよ帰国である。ラスト飲茶は倫敦大酒楼で。
今日は絶対この牛乳プリンを食べてやろうと、カウンターに近い席に陣取ることにした。いつも出遅れて食べ損ねていたので。
カウンターでおばちゃんが焼いてくれた魚のすり身や、サクサクのタロイモコロッケ(点心の中で一位二位を争うほど好き)を食しつつ、プリンの蒸しあがりを待つ。
アナウンスが聞き取れないので大きな蒸篭が運ばれてきたのを見計らって席を立ち、無事get!(夫が)
あっつあつのプリンはスイーツと言うほど甘くはなく、牛乳とココナッツのコクがまったりしつつ、燕の巣のぷちぷちとした感じも加わって今まで食べたことのない食感で美味しい。ヤシの実サイズなので容量は結構ある。
香港で「あったかいプリンも美味しい」と学んだけれど(義順とかで)こういうのもありか―、とまた新たなステージが開けた気がした。
お腹も満足したので、最後にもう一か所!と香港島に渡る。私がどこよりも愛する街、湾仔を堪能する為である。
エピソード0に書き忘れたが、私が初めて香港にやってきたとき、泊ったのが湾仔だった。二度目は銅鑼湾。その後も九龍半島に泊まることもあったが、できれば香港島に泊まりたい、できれば湾仔~銅鑼湾の間で。
今回の旅行では圧倒的に香港島成分が足りなかった。そこで最後に湾仔に浸りたかったのである。
九龍半島と何が違うの?と言われても答えに詰まるがはっきり言えるのは「香港島にはトラムが走っている」だと思う。大好きな乗り物なんですよ。鉄じゃないですけど(しつこい)香港の象徴じゃないですか、二階建てのトラム。ものすごく速いわけではないけど、車窓の風景を見てここで降りよう、と思って降りることが出来て、降りるタイミングを逃しても一駅くらいなら余裕で歩いて戻れる気安さが愛おしい。
どこまで乗っても一律料金で、走っているときの駆動音も心安らぐ。金鐘~中環はオフィスエリアだけど、その他はぐっと庶民的な街並みが続くのも楽しい。
今回は一回しかトラム乗れなかったなぁ…と振り返って、もうこの円安とホテル代と物価の高騰では香港にもしばらく来られないわ、なんて思ったけどトラム乗りつぶすためにもまた来なければ。夫を置き去りにして一人で香港島に宿とってやる!と気持ちを新たにするのであった。
偏愛する湾仔街市の風景をこれでもかと目に焼き付けて、名残惜しく空港に向かう。ずっしりと重い荷を背負って。
再見香港
荷物を預け身軽になり、早速空港内を徘徊する。最後まで香港を楽しんでやろうという欲に突き動かされるモンスターである。
空港飯で名残を惜しみ、やっぱり香港は第二の故郷だな、と夏休みの終わりを噛みしめるのだった。
ヅォイギン、ヒョンゴン。
一年遅れの旅行記、これにて終了です。
長らくお付き合いありがとうございました!