減塩台湾攻略③2023.12/27後半
「KANOの聖地」再び
監獄から嘉義公園は約1km。歩いていけない距離ではない。気候もいいしのんびり寄り道しつつ歩いていく。
楽勝じゃないか、と思っていたら嘉義公園はとてつもなく広かった。
公園は大きな木(樟が多い)がたくさん植わっていて、少し傾斜がある。
園内には野球場とメモリアルパーク的なオブジェ群と神社と社務所を改築した「昭和十八J嘉義市史蹟資料館」などがある。
野球場では少年野球大会が開催中で、外まで歓声が聞こえてきた。野球人口は多そうだ。
神社のあずまやには高齢者が集い、カセットコンロでお湯を沸かしてお茶会を楽しんでいた。
この史蹟資料館がとても面白かった。
まず入り口を入ってすぐに樟の大木がある。それはそれは大きい。
子どものころ通っていた小学校にも樟の大木があったせいなのか、私は樟の巨木が大好きなのだ。大きいねー大きいねーと見上げてニコニコしてしまう。
史跡資料館には靴を脱いで上がるのだけど、ほんのり木の香りがする。展示物と映像フィルムから嘉義の歴史を学ぶことが出来る。ここで初めて嘉義が「木都」と呼ばれていることを知る。(そもそも「木都」という言葉を初めて知った)そして、昨日宿泊した宿の周辺が日本統治時代は遊郭街だったことも判明した。道理で拭い去れないいかがわしい雰囲気だったわけだ…
資料館内にはレストランや土産物ショップ、着物レンタル(何故?)もあり、観光客だけでなく地元の若者でも賑わっていた。ちなみにここも免費入場できた。
映像フィルムは結構な長編で見ごたえがあった。嘉義の木材がどれだけこの街を潤していたのかがよく分かった。だから「嘉義農林高校」が必要だったわけだ。
この公園に来て「KANO」がなぜここまで郷土の誇りとして語られているのかも少しわかった。
統治下の台湾で、原住民にも台湾人にも日本名を名乗らせ(なんという屈辱的行為だろう)、チームを組ませて甲子園に出場した。そして準優勝するまでにどれだけのドラマがあったのだろう。映画「KANO」いつかちゃんと見ないといけないなぁ、と思った。(見てないんかい)
「KANO」の聖地三たび
公園前のバス停から、今度は嘉義大学を目指す。
乗り込んだ大型バスには盲導犬お座りエリアがあった。
嘉義農林学校は紆余曲折を経て現在国立嘉義大学として市内4か所にキャンパスがあり、7つの学部、39の学科、44の大学院研究科、20の研究センターを擁するマンモス総合大学となっている。実際、訪れたキャンパスも広大だった。
何をしに来たって、ここも「KANO」の聖地だからです。この像がどこにあるのかの情報が一切なくて「NO情報で探せと?!」と、夫の首を絞めたくなったのは内緒である。学内地図を見て私が見つけてやったので感謝して欲しい。
このキャンパスには農学部があるらしく、売店で収穫物などが買えるとのこと。お土産用に農大コーヒーのドリップバッグを買い、ヨーグルトはその場でいただくことにした。他にもお酒とか「KANO」グッズとかお土産になりそうなものが色々あって、買わないけど眺めるのは楽しかった。
そしてこのヨーグルトが濃厚ってな言葉じゃ表せないくらい濃厚で美味しかったのが何よりの収穫!
もし嘉義大学に行く機会があったら(大概の人は無いと思うが)是非ご賞味あれ。
というか、大学以外の場所では買えないのだろうか…美味しいのに。夏だったらアイスも食べたのだが、いかんせん冬だったので。
さて、見るべきものは見たので台北に向かおう。
鶏肉飯は「火」鶏肉飯
バスで駅前まで向かい、宿に荷物を取りに行く前に鶏肉飯屋で遅い昼ご飯を取ることにした。もも肉のローストのせご飯はこれまた薄味で美味しい。牡蠣のお粥は生姜風味が効いていた。
ピーク時を過ぎているので店内はそこそこ空いていて、店員さんが客席にトレイを置いて肉をむしる作業をしていた。
そこで初めて鶏肉飯は「鶏」ではなく「火鶏」つまり七面鳥の肉であると知る。
店内にも「正当な鶏肉飯は嘉義の七面鳥を使っているんだぜ!」みたいな掲示物がある。知らなかった…確かに鶏肉よりもコクがあるなとは思ったけど、それは台湾の鶏だからかな、とか思ってたよ…
おばちゃんはゴム手袋をしてものすごいスピードで余すところなく肉をむしっていく。あっという間に骨が山積みになる。手で手間をかけて加工するからお値段も抑えられるのだろう。
台北へGO
荷物を受け取り台北行の列車に乗り込む。朝一でチケットを取って大正解。満席である。新幹線と違ってかなり揺れながら2時間半かけて台北駅に到了。途中雨がぱらついていたが、宿のある西門町に着くと結構な勢いで雨が降っていた。
とはいえ、駅を出てすぐファザード付きの道が続いているので(台湾の便利なところ)、そこまで濡れずにホテルまでたどり着いた。 台北の宿は珍しく私が楽天トラベル経由で申し込んだ。近くにコインランドリーもあり、便利なのに価格抑えめ。窓なしなので安かったのだ。 部屋のほとんどをベッドを占めるが、アメニティも水のボトルも清潔なタオルもあり、TVはNHKBSまで映る。一休みして雨が小降りになったら出かけよう、と思うがなかなか小降りにならないので傘をさして阿宗麺線へ。行列はすごいがここのオペレーションも早いのであっという間に順番が来る。
すっかり薄味に慣れた舌には麺線の味は濃すぎた。白ご飯にちょっとかけて食べたいが、もちろん白ご飯はないのであらかた夫に押し付ける。もちろん美味しいのだけど、塩分が多そうな味は身体が拒否するようになっていることに驚く。
今、ふと「台湾 麺線 塩分量」で検索したら参考になるサイトを見つけた。次の旅行の時に役立ちそう。
そこそこ深い時間帯だが西門町は老若男女で賑わって、街中ネオンと萌えキャラでギラギラしている。映画館があちこちにあるのも印象的だった。今まであまりしっかりと歩いたことのなかった西門町(だって、若者じゃないから。今までは中山周辺に泊まってた)だが、新たな台北の一面が見られるのは面白い。お腹も満足したので今日はこれまで。