見出し画像

予定なき調和20220311

予定にはまったくなかったのですが、東京都美術館で開催中の「フェルメールと17世紀オランダ絵画展」を見に行ってきました。

久しぶりに会った後輩がこの春大学院卒業、そして四月から就職という時期で、とにかく毎日やることがなくて暇である、今日このあとも予定はない、というので、俺このあと上野に絵見に行くけど、いっしょに来る? と誘ったところ、行きます、と暇な人間特有のほのぼのとした逡巡のない返事がかえってきました。

というわけで、

このアコーディオンっぽい上部構造をもつお洒落な駅舎はいつのまにできたのでしょう。
って、この前ここにゴッホの絵を見に来たときも同じことを思ったような…。


上野です。

電車の中でスマホからチケット予約をしたのですが、すでに満員の時間帯もあり、相棒とは30分ズレた時間でしかチケットが取れませんでした。平日の昼間だし、ある程度空いてると思っていたのですが…上野駅を降りて公園に入ると、人がたくさんいました。みんな仕事はどうしたんだろう。休んだのかな。

入場まで少し時間があるので、上野に不案内な二人で、駅と繋がったアトレの構造が分からず狂奔しながらもなんとか見つけた本屋に入りました。

「お、あそこでチョコ売ってるね。お返し、買わなくて大丈夫か?」
「大丈夫です。今年は、ゼロです!」
「そ、そうか…」

大丈夫、なのか?……

本屋に入ると僕らはそんな世俗的な会話を交わしたこともきれいさっぱり忘れ、おすすめの本の話に。僕からは、オーウェルの『1984年』は読んだがこちらはまだ、ということでハクスリーの『すばらしき新世界』を、あと暇だということで『暇と退屈の倫理学』をおすすめしました。彼はどっちも買ってました。すばらしい。そして本当に暇……

14時57分、相棒を置いてひとまず僕が先に展示室へ。

メインの絵としてはなんといってもフェルメール、『窓辺で手紙を読む女』。それから、レンブラントの『若きサスキアの肖像』といった作品でしょうか。
17世紀オランダ絵画展ということで、ジャンルは色々あり、まとまった点数のオランダの風景画や、静物画を鑑賞できるのもまた、見どころと言えそうです。
ともあれ僕としてはすでにその兆候を見せ始めた花粉症や苦手な人混みに万全の状態とはいえない中、限られたエネルギーをどこで使うかと考えるとやはり、今回はフェルメールに集中して見ることになりました。

展示室を出て時間を確認するともうバスタ新宿を目指さなければならないかなり差し迫った時間になっており、僕はまだ出てこない相棒にメッセージを残し、アコーディオンの中へと吸い込まれるように駆け出した。

帰りのバスにはギリギリ間に合いました。それにしてもどうしていつもこんなにギリギリなのか……

座席に着くとiPadにメッセージを確認。相棒も鑑賞中は僕のことを忘れ、ゆっくり観れたようでよかったです。

いいなと思ったら応援しよう!