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我々は何か思い違いをしていたのかもしれない
酒を飲んだ翌日の身体が、急に思い出したのです。
「あ、にしんそば食べたい」
そうだ、そういえば食べたかったじゃん、にしんそば。
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というわけで、きました。
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フカフカのベッド…じゃない、そばに包まれたにしん。気持ちよさそうに眠っていますね。起こして食べます。
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にしんはさっき眠った状態だったのでちょっとしか入ってないように見えましたが、起こすとけっこうデカいです。
はしでつつくと簡単に崩れます。甘辛の身欠きにしんですが、味はそう濃くはなく、同じく口の中でほろほろと崩れていくそばとはピッタリの相性。そこへ、追いかけるように、にしんの油が溶け出した素朴なおつゆをグッと流し込んだ日にはもう、どんな夢も二日酔いもバチバチに覚めるってもんですよ。
なるほど…こういうものなんですね。
まずそばがなくなりました。
僕はてっきり、にしんを齧りながらそばを食べていくものだとばかり思っていましたが…もしかしたら違うのかもしれない。
逆にそばを喰みながら、にしんを齧っていく。
うん、こっちの方がしっくりくる。食べたあとの感じとして残るのは、そばを食べた、というより、にしんを食べた、という感じですから。
僕たちはだから、思い違いをしていたのかもしれない。
そもそも最初に気付くべきだったのかもしれない。
にしんが起きて僕たちを待っていなかったそのときに。
ここは夢なのか、現実なのか。
にしんなのか、そばなのかを。