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和風創作フレンチ
2024年7月30日 12:03
知ら「え」ぬ、苦しきもの「そ」、端々の言葉遣いに古風な趣を感じるものの、それ以外は今の私たちが読んでも、なんら違和感なく内容がスッと頭に入ってくるような、ストレートな歌だ。前半の姫百合の描写が序となり、おそらくは詠み人本人のものであろう、「知らえぬ恋」へと繋がる流れも、断絶をまったく感じさせない自然さで、二つのイメージが渾然一体となっている。夏の野の「繁み」。それは夏の盛りを意味
2024年7月23日 11:05
暑い。とにかく暑い。だから今回は熱い歌を取り上げてみた。六月というと、現代の暦から夏の入り口や梅雨のイメージを持たれるかもしれない。しかし、これは旧暦の六月なので、まさに夏、真っ盛りである。私の袖が乾かないとか、袖が濡れている、という表現は和歌にはよくある。涙に暮れているということだ。(昔の人は、袖で涙を拭っていたのだろう。)しかし、それを強烈な夏の日差しと対置させた、このような歌を見つ