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#心

夏の野のしげみに咲ける姫百合の知らえぬ恋はくるしきものそ 大伴坂上郎女

夏の野のしげみに咲ける姫百合の知らえぬ恋はくるしきものそ 大伴坂上郎女

知ら「え」ぬ、
苦しきもの「そ」、

端々の言葉遣いに古風な趣を感じるものの、
それ以外は今の私たちが読んでも、なんら違和感なく内容がスッと頭に入ってくるような、ストレートな歌だ。
前半の姫百合の描写が序となり、おそらくは詠み人本人のものであろう、「知らえぬ恋」へと繋がる流れも、断絶をまったく感じさせない自然さで、二つのイメージが渾然一体となっている。

夏の野の「繁み」。

それは夏の盛りを意味

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