社内方言(造語)
転職して数か月、業務には少しずつ慣れてきたが未だに手を焼いているものがある。
それが職場内方言だ。
方言といえば、もともとは地域ごとの表現、言葉の差をあらわすものだけれども、同一ゲームのユーザーや特定アーティストのファン、Xの同じ趣味を持つ人の集まりなどでも方言は発生する。
職場でもそれは同じで、職場、職種の中でしか通じない表現がたくさんある。
私のようにいろんな職場を転々としていると、当然各会社ごとの独特の表現というのがわかるのだけれども、
新卒から同じ会社一筋のひとは概ねこの方言に気づかない。
転職経験があっても10年以上同じ会社にいれば、方言が当たり前になりすぎて汎用表現への置き換えがきかない人がいる。
出入りの少ない会社ならそれでも問題ないのだろうが、今働いているところは規模が大きく人の移動も激しい。
そうなるとなかなか厄介だ。
まず、入社してきた人は既存のスタッフとの意思疎通にものすごく手間取る。
聞いたことがない言葉の羅列はもちろん、一般的な意味とは違うニュアンスで使われる言葉もある。
同じ日本語(しかも標準語)を話しているはずなのに、何を言っているかわからない……という事態がぽつぽつ発生するのだ。
今の私はわからなければ、ねぇ、なにそれ?と聞きにいくだけの度胸が少しだけついてきたけれども、もし20代のころだったらと考えると……。
絶対聞きに行けない。
ただでさえ派遣でぼんやり浮いているのに方言が分からなければさらに浮くことになる。
社内方言は便利だ。
汎用表現にすると長くなる言葉をぎゅっと縮めてくれたりする。
会話が簡潔に済むから仕事に割く時間が増える。
でもそれに慣れすぎてしまうと新し人が入ってきたとき、疎外感を感じさせてしまいかねない。
人材確保が大変な今の社会では痛い部分なのでは…?と思う。
それでも新卒などであればあっさりなじむのだろうけど……
企業さんが求めるのは即戦力の既卒転職組だったりする。
いくら優秀でも一朝一夕で社内方言のマスターは難しいと思うのだが……。
社内方言は使用者に方言の自覚がないので教えてもらうこともなかなか難しいし…。
というわけで本日も社内方言と戦う日々である。
どうせこの会社には3年もいれないのに、覚えたって別の場所では何も役に立たないし、何なら支社が変わるだけで全然使えないのに……。
今目の前の仕事のためだけに方言を学ぶのはひどく億劫だ。
社内方言、滅びないかな。