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驚きの初体験

お久しぶりである。
4月に仕事を辞める宣言をして、実際に4月末付で出版社(アルバイト)を辞めた。
ほんのりの未練と、これ以上このままでは生きていけないな、という気持ちを抱えてGW~5月末頃まで就職活動をしたがめぼしい会社はなく……。
こういうところが本当にどんくさいと思う。
さて、貯金があるとはいえこのまま働かないのはまずいと思い、派遣のアルバイトに登録をしてみた。(本末転倒という話は無しで願いたい)

昔取った杵柄とまではいかないが、1社目の営業事務時代と2社目のコールセンター管理者ととにかく電話に出る、掛ける仕事をしていたので、7月の1ヶ月間だけアウトバウンドコールのお仕事をいただけた。
久しぶりの社会復帰にそわそわしながら研修を受けて3日目、実際の現場(コールセンター)で最後の研修を受けた後にフロア管理者の男性社員にその言葉を言われた。

「そこのぽっちゃりした人」

お、おう……?おう????????????
いや、確かに私はお世辞にも痩せてるとは言えない。むしろデブである。
そのうえ、そのフロアで研修を受けていた派遣のアルバイトは50名近いから名前を憶えていない段階では仕方のない呼び方……。
そんなわけあるか。
失礼すぎないか。というか、今時そんなことをいう人がいたのか、という感想である。驚きすぎてとりあえず対応してしまったものの、帰り道にこれはあんまりな呼び方ではないか……?と疑問が沸いてきた。

もう一度言うが、私は確かにデブである。自分で言う分には問題はない。
問題はその日初対面の、男性(異性)に突然容姿で呼ばれたことである。

その日の私は黒のワンピースを着ていて、研修メンバーには男性も多く他の女性にもワンピースは少なかった。
私がフロア管理者なら確実に「そこの黒いワンピースの人」という。
コールセンターのオペレーター管理もしたことがある人間から言わせてもらえば、多人数で名前を覚えきれていないのはわかるが、容姿で相手を呼ぶ、あまつさえ大勢の前でそれを言葉にするのはあまりにも無神経である。
もちろん、人の入れ替わりが激しいコールセンターで性別の他に髪型や髪色、メガネなどの顔立ち、体格で人を記憶することはある。しかし、それを口に出すことは絶対にない。なぜならハラスメントと取られかねないからだ。
これが10年、20年前ならそんな気にしすぎじゃない、と言われたかもしれないが現在は2024年である。
ルッキズムへの否定やハラスメントに対する細やかな対応が求められる中、フロア管理者(要するにマネージャーとか課長クラス)がこの発言はあまりにも浅はかではないだろうか。

新卒で入った会社は女性事務員がお茶出しをする習慣があるにはあった。(のちに撤廃された)
そんな旧態依然とした男尊女卑がにじむ会社であったがそこですら容姿のことを異性の管理者から言われたことはなかった。

このあまりにも現代にそぐわない初体験に衝撃を受け、その後コロナにかかったこともあり1か月の契約のところを7月半ばでそのアルバイトは辞めた。
ちなみに派遣元担当者も話を聞いて絶句していた。

その後、アウトバウンド成績のよさ?を見込んで継続の依頼はあったらしいが担当者から断ってくれることになった。(念のため断っていいですよね、との確認はしてくれて、非常に真摯に対応してくれる人だった)
そんな衝撃の中でも割とましな条件で派遣社員の仕事が決まり、今は大手の会社で営業アシスタントをしている。

あの発言を聞いてから約3か月、いまだに衝撃は忘れないし、その日以来自分の容姿がひどく醜く見えて仕方ない瞬間がある。元から痩せているとは思っていなかったし、太っていることも自覚していた。
それでも他人、しかもその日初めて会った異性から言われるとこんなにも傷つくのだと、言葉の重みを感じた。

「ぽっちゃり」をポジティブな意味で使っている人へ、相手によっては傷つくので関係性を考えてお使いください。


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