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あいうえお日記
9.28(月)
起きた。生きた。寝た。愛した。寝た。起きた。寝た。(注1)
9.28(月)
バイトに行った。
9.28(月)
喫茶店に行った。本を読んだ。コーヒーフロートで粘った。
9.28(月)
園子温「アンチポルノ」をギャオでみた。
9.28(月)
何もかも鬱だ、クソ、クソ、クソ!
9.28(月)
京子(注2)みたいに「売女!」「売女!」って罵ってたら監督に止められててめえの演技はクソだからいい加減にしろって引っ叩かれて罵られながらレジをした、そうしてまた日が暮れた。
9.28(月)
道ゆくカップルにそこに愛はあるんかと問いかけた。5組めで実は親子なんですとカミングアウトされた。とてもそうにはみえなかった。私は彼らに感銘を受けた。へその上あたりにサインを書いてもらった。すっかり気持ちが晴れた。
9.28(月)
ランチを食べながら蛇と仕事の打ち合わせ。
締め上げを月末に合わせるための帳尻を取ろうとしたが、彼はもう月末であることに意気消沈していた。僕にも月末があることへの普遍性とか信仰者ではない。めっきり日曜日は次の週の前日であろうが休日最後の日であろうが憂鬱であることに変わりはない。憂鬱の日曜日。暗い日曜日。
9.28(月)
生殖とは本来もっと自己を薄めてないものにしていく造作の複雑な精巧に作られた一対の機械による終わりの見える小さな詩であり、簡潔になってしまった双方が見出すのは単純な二元論の間に湧き上がる透明である。
9.28(月)
おもえば本来ならば日曜日は永続するものであるはずだ。
注1
スタンダールの墓碑銘「ミラノ人アッリゴ・ベイレ 書いた 愛した 生きた」とは関係ない。
注2
園子温「アンチポルノ」の主人公(冨手麻妙演じる)