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店舗で売ることが正解ではない
サンプルを配りまくってしまったことへの反省し、フォローメールに対するリプは一件もなし。営業電話からの商談も一切ない。そんな状況は当社だけではないとプリンター会社の営業マンが教えてくれました。
当社に来ていたインクジェットプリンターの営業の男性。教えてもらった当時は私が電話を掛けている横で、当社で導入したインクジェットプリンターの調整をしている最中でした。
わたしが入社して約一カ月、当社は一大投資をしたのです。
300万円もするUVインクジェットプリンターを買ったのです。
その機械搬入時にも営業電話をしており、プリンター搬入にかかわっていた営業マンからこういわれたんです。
「100社のうち1社だけですよ、運がよくて」
絶望でした。
もっと早く教えてくれ。
...そういえば、ホリエモンが言ってた。
「営業電話に対応する時間ほど無駄な時間はない」
たしかに自分も電話営業が来たら嫌だと感じるではないか、定型文の感謝メールが来ても実際スルーしているではないか自分。ともんもんと考えているうちに涙が出てきました。
そうかわたしのしてきたことは間違いだったんだ。そしてこの気持ちになっているのはわたしだけではない。ボロボロと涙が出てきたのを覚えています。
あっけなく営業スタイルは終了し、再び地元を責めよう。ということになりました。もう精神的にも営業電話をかけるのは無理だと感じていたからです。
地元だったら受け入れてくれる優しい店舗があるに違いない。家族のつてや地元保険営業の人に紹介してもらい様々なお店を回りました。
当社がある地域は田舎です。観光に力を入れているが県内には世界遺産が存在するし、もっと北にいけば大自然が広がっています。
しかし、当店がある地域は中途半端な地域であまり市営の物産展では集客は見込めないだろう思い、観光協会の店舗は後回しにしていました。
そんなことを考えていると地元産業センターの人が当社についてしり、カフェを紹介してくれることになりました。すでに話が進んでいて、当店の商品に非常に興味を持ってくれているとのことでした。
この時は天にも昇る気持ちでした。当社の商品を置いてくれる!そう思ったらワクワクドキドキ。
私はカフェ用に売り文句を考えました。今までとは全く異なり、日本絵画や西洋絵画ではなく、プリンターが入ったことによる当社の強みと商品の魅力を前面に押し出した説明文を考えました。
このときから、商品の説明を改め「ARTMIRROR」という名前ではなく、「P+」という新しい自社ブランドで販売していくことにしました。
カフェで商品を取り扱うことになったわたしはとっても舞い上がっておりました。
初期のP+の商品の特徴として挙げていたもの
①何枚でも写真をプリントすることが可能
②輝く写真入れオリジナルボードとして販売
③製作がすぐにできる
④サイズはSMLから選べる形式
2回目の訪問では、カフェ専用パンフレットを作成し、そのカフェ専用の写真フレームデザインを施したサンプル、4種類を作成。
まだイラストレーターの使い方はままならなかったのですが、サンプルは絶対と思っていた当初は必死にサンプルを作りました。4種類サンプルを作り、かつカフェ用のプレゼントまで作成しました。
自分の商品を置いてくれる店舗が現れた、嬉しい!
紹介があるまで自分で店舗に営業しに行っていましたが、どの店舗も置けない・コンセプトが違う等の理由で断られ続けていたわたしにとって最大の進歩でした。パンフレットにもこだわり、カフェに合った雰囲気で製作を進めました。
店舗に置く用にすべてのサイズのサンプルを用意しました。カフェへの無償プレゼントも用意し、ルンルン気分でした。(今考えればやりすぎでした)
しかしここで問題が起こりました。
希望小売価格と卸価格を設定していませんでした。そのカフェ主も販売について曖昧な知識しかなく、価格については自分自身で勝手につけてたとのことでした。私は卸値のみが貰えればいいので、販売価格はカフェ主さんで決めていいですよ。そう言ってしまったのです。
カフェ主もオリジナル商品は売れる!と思ったのでしょう、とてもっとっても高い値段を設定、私もこのとき、あの展示会での教訓は頭から消えて「売れるよ、素敵!」の言葉にまんまとはまってしまい、その値段で承諾してしまったのでした。ちなみに販売価格は卸値の2倍の値段に設定。田舎で販売するには高すぎる値段設定でした。
現在にいたるまで、そのカフェでの売り上げ実績はありません。
そもそも、来店数が1日平均10名程度のお店だったということにのちに気づくことになりました。(併設していたトリミングサロンでも同様に取り扱うことになったが、パンフレットをばらまくのみで売り上げにはつながっていない模様)
※現在では音信不通になり、Instagramのフォローも外されてしまいました。
後悔したこと
①カフェへの事前調査をしてからパンフレットを作成するべきだった
②店主のやる気度をきちんと図ればよかった
③サンプルは一つでよかった
以上の3点です。これができていれば、サンプルを作りすぎないし、高いプレゼントも作成しませんでした。パンフレットももっとより良いものになってたに違いない。客層を把握することはとても大切なことだと判断しました。
置くお店の客層を判断することも大切ですが、当時、わたしは地元のお店・飲食店等を端から攻めました。知っているお店、そこから紹介されるお店にはどこでも行きました。
これがそもそも間違いでした。
「ART MIRROR」改め、「P+」に自信がないから、手当たり次第に営業しに行きます。
自分の商品にコンセプト・ターゲット層を設定したり、自分の商品のいいところを探す前に営業しに行った結果、話をするのにもあいまいになり、置いてもらう店舗でその店舗色に当ブランドが合わせなければならない。という状況に陥ってしまっていたのです。
たしかに足で稼ぐのがひと昔のやり方だったのかもしれません。
しかし、今は違います。当ブランドのコンセプトをはっきりさせ、売りたい客層が自身でアクセスしてくれるようにしなければなりません。
SNSで売り、ネットで売る。店舗がなくとも自社の製品を販売し実績を上げている人はたくさんいるのです。
Instagramの広告でたくさんフォロワーがいるのも、ブランドにコンセプトがはっきりとしている統一感のあるアカウントです。展示会で負った深い傷はそのあとの自分の判断に悪い影響を及ぼしてしまっていました。
店舗で売らなければならない
その考えに縛られていたのです。このSNSで売るという考えは、本やマーケティング関係の記事を見てたどり着きました。