茶農家の体内には緑茶が流れている
『買ってよかったもの』、それは昨日届いたばかりのツイスティーなんですけど。
色は自分の好きな色にしました。
今は在庫少なくて、Amazonでは値段が変動してるかもしれないです。
TwitterでバズってTLに流れてきたので、在庫がなくなる前に購入したって感じです。
Vitantonio ビタントニオ ツイスティープラス TWISTEA PLUS VTW-30 (グリーン) https://www.amazon.co.jp/dp/B07YLJBR22/ref=cm_sw_r_cp_api_i_LaO7DbAWMT6C6
これ、なにがすごいって、お茶の濃さを調節しつつ、二煎目、三煎目が飲めるってことです。
急須やティーポットがいらない。
後述するけど、少なくとも私にとっては、すごくありがたいんです。
あと、ついでにこちらもオススメしておきます。
クイックボイルボトルサーバー TI-KBS500 ブルー https://www.amazon.co.jp/dp/B00CB5JIJQ/ref=cm_sw_r_cp_api_i_zkO7DbKS5XAF0
買ったのは今年に入ってからですが、去年の冬、Yahooショッピングで1000円くらいだった気がします。
ペットボトルの中のお水を、お湯にして出してくれるミニマムなウォーターサーバーです。
使い方にコツが入りますが、慣れればかなり優秀。
この2つがあれば、お茶を飲むのがめんどくさくない。
紅茶も好きなんですけど、今回は緑茶について、書かせてください。
私は静岡県出身なのですが、静岡県民はこれでもかってくらい、緑茶を飲みます。
葬式の香典返しは必ずお茶。周りで不幸が続くと、香典返しのお茶が増えていきます。
愛知で葬儀関係の仕事していた事があるのですが、お茶以外の香典返しがあることを知ってびっくりしたくらいです。珈琲とスティックシュガーとか、貰っても正直困る。
親の実家が茶農家だから余計にお茶に思い入れがあるのかも知れません。
小学生になる前から、4月の終わり頃、ゴールデンウィーク前の土日は、私たち家族はお茶摘みの手伝いをするために、呼び出されていました。
夏も近づく八十八夜 野にも山にも若葉が繁る
民謡『茶摘み』より
この八十八夜が立春から数えて八十八夜なので、ちょうどゴールデンウィーク初旬の時期だったんだと思います。
祖父母と、曾祖父母、そして我が家三人、本当に家族総出で手摘みしました。
曾祖父母は、私が小学校上がる頃には脳梗塞?と認知症でリタイアしましたが……。
祖父は我が家のお茶摘みの司令塔、お茶の芽の育ち具合をみて「今日はここの列を手摘みして、こっちは機械」なんて判断していました。
いまだにその判断基準はわかりません。
朝から作業して、途中でお茶を飲む小休憩を挟み、昼休憩は少し長めに、それから3時頃にはおやつを食べながらお茶を飲んで、夕方には車に茶葉を積み込んで、製茶工場へ摘んだ茶葉を運びます。
手摘みにこだわるのは、機械で刈り取った茶葉に比べて、茶葉の買取価格が高いためです。
私が幼い頃は、集落のなかにお茶工場があって、そこに茶葉を持ち込んで、集落の農家が交代勤務で昼夜問わず製茶作業に駆り出されていた記憶があります。
集落の働き手が高齢化して、集落内のお茶工場は無くなってしまい、いつの間にかほかの製茶工場へと茶葉を売りにいくシステムに変わっていました。
祖父が車でお茶工場まで茶葉を運ぶ時、助手席に乗せてもらって工場について行き、車ごと計量して、摘んだ茶葉が機械に吸い込まれていくのを眺めていました。
「えびちゃん、三時のお茶が入ったで、裏の畑行っておとっさ(お父さん=祖父)たち呼んできて」
休憩の準備をする祖母について行くと、広い茶畑のどこかにいる祖父や両親を呼びに行く役目を与えらました。
端午の節句が近いためか、お茶摘みのときのおやつの定番は柏餅でした。
お茶摘みの時以外でも、緑茶を飲むことはごく当たり前の日常で。
食事の前に急須に新しい茶葉とお湯をいれて、家族分の湯のみにお茶を注いで、急須の中身を最後の一滴まで絞り切る。
食事中に二杯目が飲みたくなったら、ポットからお湯を注いで、二煎目をいれ、やはり急須の中を絞り切る。
あとはそれをお茶の色や味が出なくなるまで繰り返して、出がらしまで飲みきってから、必要なら新しい茶葉に取り換えてお茶を入れます。
誰々さんちの香典返しのお茶は(色と味の)出が悪いだの、買ったお茶が美味しかったとか、祖母は小言を述べながら。
少なくともうちはそんな感じ。
一人暮らしで同じように急須でお茶を飲もうとすると、急須の中身を出し切るために湯呑みやマグカップをいくつも使う羽目になってしまって、それを洗うのがめんどくさい。
このツイスティーを使えば、少なくとも最後の一滴まで絞ることがこのボトルひとつで可能になるので、マグカップをいくつも用意しなくていい。
非常に便利です。
とにかく、ツイスティーを使えば、地元の日常と同じお茶の飲み方が一人暮らしの自宅で気軽に出来て、私はなんだか嬉しいのです。
……なんて、ツイスティー買った時は思いもしなかったんですけどね。
ツイスティーで三煎目くらいの薄くなった緑茶を飲んでいたら「えびちゃん、そのお茶薄いら?そろそろお茶っ葉、変えんといかんね」って、脳内で遠州弁を喋る祖母の声が再生されて、色んなことを思い出してしまいました。
……まぁ祖母はまだ存命で、普通に生活してるんですけど。
実は先日、母と喧嘩してしまい、ちょっと気まずくて、あと収入も苦しいので今年は年末年始に仕事みっちりいれて、帰省をやめようかな……なんて考えたら、白内障の手術を控えた祖母に会いたくなってしまって……困っています。
逆にお茶を含め農業を仕切っていた祖父は7年くらい前に鬼籍に入ったんですけど。
数日前まで車を運転していたくらい元気だったのが、急に床に臥せって食事も出来なくなってしまったようで、トイレに行くのも付き添いが必要な状態でした。
そして、トイレなどの尊厳に関わる世話は、祖母と訪問看護師以外には絶対にさせてくれませんでした。
往診に来た医師によると、病院で検査していないから断定は出来ないけど、ガンの再発の可能性が高く、このままだと余命は1ヶ月ほどだということ。
静脈点滴での栄養投与や胃瘻での延命も可能だけど、本人の意識がはっきりしていて、延命を拒否しているから、自然に任せることにすること。
……祖母と母と私は、これらを祖父のいない場所で聞かされました。
ちなみに、往診に来た医師は、祖母が心筋梗塞で倒れた時に搬送先の病院の循環器科の勤務医をしていて、祖母の命を救った命の恩人でして。
病院を辞めて開業医になってからも、地域医療に貢献するため、通常の診察後にたくさんの家庭に往診をする姿を見て、我が家族はこの医師を絶対的に信頼しています。
私は私で色々あって、メンタルを崩して仕事を休職して療養していたので、連絡が来てから急遽帰省し、祖父との最期の1ヶ月あまりの時間を祖父たちの家で過ごすことになりました。
私にできることなんて、祖父に付きっきりになっている祖母の代わりに、家族の洗濯や食事の準備をすること、車があるのでスーパーやドラッグストアに買い出しに行くことくらいだったんですけど。
母は母で急に仕事を休めないので、仕事と祖父の医療や介護の行政手続きに専念してもらって。
知的障害のある叔父ですら事態の深刻さを認識しているし、でも偏食がひどくて私が作った食事が不味いと食べてくれないし、祖父は日に日に弱っていくし、祖母も憔悴しているし、母と私は夜な夜な「明日はどうなるだろう」と話し合いつつ、かなりストレスフルな1ヶ月を送っていた記憶があります。
ものが食べられなくなった祖父のために、メイバランス(カロリーとか栄養が凝縮された飲み物)とか、スポーツドリンク(脱水症状防止)とか用意してみたんですけど、祖父は最後まで「お茶が飲みたい」と訴え続けていました。
緑茶、利尿作用があるからどうなんだ??って思いつつ、少なくともほかの飲み物よりは沢山飲んでくれるから、お茶は最後まで飲んでもらっていました(誤嚥しないかハラハラしたけど…)
残り限られた回数しか飲み物を飲めないなら、好きな物を飲んでもらいたい、だけどこの身体ではお酒はちょっと無理だから……って考えたら、緑茶になるんですよね。口の中、さっぱりするだろうし。
祖父が最期に口にしたのは、緑茶でした。
ちなみに、祖父は突然体調を崩して、大好きなお酒が飲めなくなったまま逝ったので、せめて……と思い、お弁当によく入ってる、魚の形をした醤油の空きボトルに、いつも飲んでいた焼酎を詰めて、六文銭と一緒にずだ袋の中に入れました。
(葬儀ディレクターがずだ袋に好きな物入れていいって言うから、許可を得て)(紙パックのお酒は火葬場的にNGだったので)
そんなわけで、茶農家の身体には、血液の他になんとなく緑茶が流れているような気がしてなりません。
私の体にもうっすら流れているような気がするのですが、一人だとお湯沸かすのも、急須と湯のみ用意するのもめんどくさくて。
でも、ツイスティーと、クイックボイルサーバーがあれば、めんどくさいが解決して、お茶を飲むことができます。
ソウルドリンクの緑茶を飲みながら、12月の繁忙期を乗り切りたいと思います。
写真:フリー素材ぱくたそ(pakutaso.com)、Amazon
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