CRYOUT /state1998
あまりにも強すぎる光がわたしの網膜を焼き切ろうとした
神経が暴走を起こしているので考えをまとめることができない
こんなにも孤独を恐れているのに
それでも心待ちにしている
繋がっているからこそ寂しさを覚える
何かを大切に思う気持ちはいったいどこからくるのだろう
かわいい棘が
いのちを削る
それでもいとおしくてたまらない
燃え上がる欲望ではなくて
むしろ泣きたくなるような
そんな幸せ
疑いと憎しみの中にいても
わたしはこれまで恨みを感じたことがない
スーパーマーケット海溝の奥深く
漂っているわたしは
もう決しておぼれることはない
逃げ出すには飛び込むしかなかった
プレッシャーからプレッシャーへと
ある考えから別の考えへと
わたしは何度でもこの身を躍らせるだろう
大声で泣きわめきながら
何とかして閉じようとするこのまぶたをこじ開けて
強く強く伸びてゆくこの腕が向かおうとする先を確かめたい
つかみ取るためではなくて
触れるために
振動を伝え合うために
きみはどこまでも伸びてゆく・・・
わたしはきみの勇気に一度あこがれ
そうありたいと願った
今となっては思い返すこともめったにない
わたしはなりたいものになれたのだろうか?
わたしはとうの昔に願いを叶えてしまったのだろうか?
ときどき牙をむくこの凶暴なやさしさは
そのあかしなのだろうか?
何かを失うことをこんなにも恐れる気持ちは
いったいどこからくるのだろう