ジッパーバッグで自家製味噌づくり
自家製という響きがなんとなく好き。
昔は当たり前だったこと。
でも私は当たり前でなくなった時代に生まれ生きている。
今でも覚えているのは、夏休み🌻に会いに行く祖父母の家で飲んだ味噌汁とシソジュース。
味噌は独特のクセがあり、当時は少し苦手だった。
他の家族は敬遠したシソジュースは私の大好物で、記憶の中の味はもう思い出せないが、もう一度飲んでみたいと今でも思う。
どちらも祖母の手作りで、トマトやきゅうりも家の周りの畑で採れたものだった。
部屋の窓から外を眺めれば田んぼが広がり、ちょうど夏の時期は青々とした稲穂が風に揺れていた。
山に囲まれた盆地は朝になると時折雲海がみられた。
上から見下ろしているわけではないので、正確には霧になるだろうか。
当時よりも、今こうして思い返してみてあらためてあの頃みた光景の幻想的な様に感動する。
一年に一度、夏休みのほんの数日を過ごしただけの時間が、不思議と私にとっての原風景になっている。
自分で作ることへの憧れの一端は、きっとそんな思い出の影響もあるのだろう。
丁寧に、辛抱強く、こまめに、というのがどうも苦手な私には、自家製というのは難しいと思っていた。
だから大きな容器もいらない、そのまま置いておけばよいというキーワードはとても魅力的だった。
これだと思った。
そして初めての味噌を仕込んではや数年。
スーパーでお味噌を買うことがなくなった。
本当にジッパーバッグでお味噌づくりができる。
台所のシンクの下で発酵食品を作っているなんて、なんだか不思議な気分だ。
と言っても、一度仕込めばたまにガス抜きをする以外は放置。
自分で勝手に、そして力強く生きてくれる。
三年ものはまるで赤味噌のようだが、実は一年目の時点ですでにこの色だった。
同じ味噌でも熟し方に違いがあって面白い。
家庭ごとの自家製味噌づくり、おすすめしたい。