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Rubber Soul マニアック

好きなアルバムの中でも何枚も買い集めてしまう特別なアルバムがあります。

虎の子の1枚を聴き倒すのもいいでしょう。でもアナログレコードには、モノラル、ステレオでミックスが違ったり、販売国や時期によってジャケットのデザインや収録曲が違ったりして、ファンにとってはとても奥深く、集め甲斐がある媒体なんです。

今回紹介するのは、ビートルズの中で2番目に好きなアルバム RUBBER SOUL

こんなに持ってて意味があるの?

この写真のレコードは
イギリス盤4枚、
アメリカ盤2枚、
日本盤4枚

の計10枚です。
パッと見て分かるのは「Rubber Soul」の文字がゴールドぽい色のアメリカ盤。
それ以外は殆ど見た目が同じですね。


①UK mono PMC1267 Matrix1/1 Yellow Parlophone
1990年半ばにロンドンのカムデンタウンで買ったオリジナルのモノラル盤。
monoバージョンのミックス違いが良く分かるのは「What Goes On」のエンディング。ギターソロがカットされていること。
他はかなり細かい部分で、ピアノの音が抑え気味とかエンディングのフェイドアウトが数秒長いとか…。

因みにこのレコードはside1のラベルが中央からズレている不良品。こんなこともあるんですね。驚きです。でも再生には問題ないです。

ラベルがズレていて
穴が中央に開いてません。

音圧が高く迫力のある音がカッコイイ。
ジャケットはオモテ面がラミネート加工されてます。ウラ面はフリップバック(折り返し組み)。

フリップバックのウラ面

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②UK mono PMC1267 Matrix4/1 Yellow Parlophone
このレコードもカムデンタウンのフリーマーケットで買ったオリジナルモノラル盤。1990年代だから結構お手頃価格でした。

マトリックス番号が違うためside2の音圧がside1よりラウドです。続けて聴くと急に音が大きくなってビックリします。でもカッティングの違いを体験できる点が面白いです。
ジャケットはラミネート加工されたオモテ面とフリップバック。

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③UK mono PMC1267 Matrix4/4 Yellow Parlophone
よくある普通のオリジナルモノアルバム。
これは2006年にロンドンで購入。
ジャケットはラミネート加工されたオモテ面とフリップバック。
ジャケットデザインも中身も前の2枚と全く一緒ですが、コンディションは1番良いです。ノイズも少なく半世紀以上も前のレコードとは思えないです。
mono盤を見るとついつい買っちゃうんですよね。

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④UK stereo PCS3075  Silver Parlophone
おそらく1980年代にプレスされ数多く流通したレコードだと思います。これは80年代半ばに日本のレコード店で買いました。
一般的なレコード(バージョン)で特に珍しいものではありませんが、よく聴いたので愛着を感じてます。

ただ、初期のビートルズは全体的にそうですが、特にRUBBER SOULのstereoミックスは左右の振り分けが極端で、ポーカルもセンターにないため、ヘッドホンで聴くのに向いてないですよね。

ジャケットはラミネート加工ではなくウラ面もフリップバックじゃないツルンとした感じ(つまり一般的な仕様です。)。

Silver Parlophone
フリップバックではない普通の製法。

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⑤US mono T2442 Rainbow Capitol

ここからはアメリカ盤でゴールドぽい色の文字が特徴です。
Rainbow Capitolレーベルのオリジナルmono盤。
日本の中古レコード店で購入しました。
盤、ジャケットの状態は、Junkレベルですが、充分聴けます。プチプチというスクラッチノイズは味があります。

嘗てLucas君が所有していたようです。
オリジナルのレインボーキャトル

レーベル内のクレジットはThe Beatlesではなく、JOHN LENNON, PAUL McCARTNEY, GEORGE HARRISON and RINGO STARR。アルバムによってこのパターンになってますね。

さて、ビーチ・ボーイズのブライアン・ウィルソンが初めて聴いたとき『やられた!』と完全にノックアウトされたと言われるRUBBER SOUL。
恐らくこのUSバージョンを聴いたと思いますが、正直言ってコレを聴いてどうしてショックを受けたのかよく分かりません。

まずは収録曲を見てください。
monoもstereoも同じです。
(★は前作Help収録曲)

A1 I've Just Seen A Face ★
A2 Norwegian Wood (This Bird Has Flown)
A3 You Won't See Me
A4 Think For Yourself
A5 The Word
A6 Michelle

B1 It's Only Love ★
B2 Girl
B3 I'm Looking Through You
B4 In My Life
B5 Wait
B6 Run For Your Life

見ての通りオリジナルUK盤と比べ収録曲が2曲少ないです。4曲減らして2曲を追加してます。(UK:14曲、US:12曲)
まあ、『解体・再編商売』を得意とするCapitolレコードなので仕方ないですが、増減の内容が良くない。

減らしたのは以下の4曲。
インパクトのある各面の1曲目、
Drive My Car(ブラックミュージックへの傾倒とポールの超絶ベースライン)と
What Goes On(輪郭のくっきりしたカントリーソング)。
これからのビートルズを示唆しアルバムのカラーを色濃く表現する
Nowhere Man(皮肉を込めた歌詞とトレブルを効かせたギターソロ)と
If I Needed Someone(ドローン感のあるサウンド)。
いや〜かなり問題がありますね。

しかも両面トップの曲を入れ替えるという暴挙に出てます。 

アルバムの場合、普通は両面トップにインパクトのある曲を置きます。
I Saw Her Standing There
Love Me Do
It Won’t Be Wrong
A Hard Day’s Night
Anytime At All
Eight Days A Week
Help
どれの曲もアルバムのカラーを表わす代表曲です。

そして、Capitol盤のRubber Soulは
『BEATLES Ⅵ』とアメリカ編集『HELP』から漏れたI've Just Seen A Face It's Only Loveの2曲をニューアルバムの大事な各面1曲目に据え、アルバムの雰囲気をぶっ壊しています。
選りに選ってRubber SoulらしくないI've Just Seen A Faceをアルバムトップに持ってくるなんて…信じられません。

だから、このアメリカ編集盤Rubber Soulを聴いてヤル気を喪失する程ショックを受け、直後に傑作(怪作?)『Pet Sounds』をリリースした天才ブライアン・ウィルソンの思考回路が理解できない。
やっぱりUK盤を輸入して聴いていたのかな。…だったら解るけど。

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⑥US stereo SW2442 復刻Rainbow Capitol

復刻デザインのRainbow Capitol。

Capitolレーベルのデザインは、時代によってRainbow, Green, Orange, Purpleなど様々なカラー(デザイン)がありますが、この80年代半ばのCapitol盤はRainbow capitolの復刻デザインです。
オリジナルRaibow Capitolとの違いレコード会社のクレジットがレインボーのリムの中にあります。
復刻とは言え、このデザインはワクワクしますね。

これも日本のレコード店で買ったレコード。

さて、先程アメリカ盤の収録曲に思いっきりケチをつけましたが、このステレオバージョンは超オススメです。
Capitol編集のステレオバージョンのみ『I’m Looking Through You』のイントロをやり直したバージョンを収録してます。
本国UKでも使われていないレアバージョンなので貴重で、コレクション価値ありです。

どの時代のステレオ盤もこの「やり直しイントロ・バージョン」なので、手に入れやすいという点がイイですね。

ただ、左右のバランスは全てのステレオミックスと同じなので、やっぱりヘッドホンで聴かない方がいいですね。

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⑦日本 stereo OP-7450 Odeonレーベル 赤盤 東芝音楽工業株式会社 ¥1,800

最も初期のOdeonレコーズ時代の日本盤。

日本ではレーベルが変わるとレコード番号が変わります。ただOdeon時代でも1967年からOP-8156に変わっているそうです。
インナーは広告スリーブ。
ジャケットは薄い紙質の物を使用した一般的にペラジャケと言われるタイプ。ラミネート加工でフリップバック。またOdeon時代のフリップバックは中央部分が丸く凹んだデザインになってます。
Odeon盤は全て赤盤。レーベルデザインが妙にカッコイイです。

インナーは広告スリーブ
中央部分が丸く凹んだフリップバック。
Odeonレーベルの赤盤

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⑧日本 stereo AP-8156 Appleレーベル 黒盤 東芝音楽工業株式会社 ¥2,000

1970年にレーベルがAppleレコーズになってからの日本盤。レコード番号もOPからAPになってます。

Appleレコーズ AP-8156

インナースリーブも落ち着いた黒色に変更されてます。
ジャケットはペラジャケ。ラミネート加工でフリップバック。ただしAppleレコーズになってフリップバックは中央部分が丸く凹んでいない直線になりました。

黒紙のインナースリーブ
フリップバックは直線

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⑨日本 stereo AP-8156 Appleレーベル 赤盤 東芝音楽工業株式会社 ¥2,000

上記⑧と時代的には同じで基本部分は変わりません。

少しマットな感じの印刷。

しかしながら、マニア以外どうでも良い違いがあります。
紙質がペラジャケでもラミネート加工されていないマットな仕上がりなんです。
理由は良く分かりませんが、紙質はペラ、硬い物、非常に硬く重い物、ラミネートの有無など、時代によってなのか印刷工場の違いなのか、この様な微妙な違いがあります。
(ペラジャケではない硬い紙質のものはフリップバックではないです。)

黒いインナースリーブと赤盤

また、Appleレーベルにしては珍しい赤盤です。
レコードは基本的に黒いビニールで作られますが、1980年代以降は敢えてカラーレコードやピクチャーレコードとしてリリースすることもありました。

僕は赤盤の方が好きで得した気分になりますが、皆さんはどうなんでしょうか?

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⑩日本 mono EAS-70135 Odeonレーベル 赤盤 東芝EMI株式会社 ¥2,300

1986年の復刻盤

1982年と1986年に英国オリジナルmono盤シリーズの復刻に合わせて日本でも限定販売されました。
このレコードは1986年にPlease Please MeからYellow Submarineまでの全10枚をまとめて買ったときのものです。
オリジナル盤とは違い右上にmonoの文字が入ってます。日本でモノラル盤を手に入れることが難し買ったので、1982年の1986年のシリーズ販売は嬉しかったです。
ジャケットデザインもほぼUK盤と同じ。

裏面のデザインもほぼUK盤と同じ

ただ、日本盤はOdeonレーベルから赤盤としてリリースされました。

デザインの変わったOdeonレーベルと
鮮やかな色の赤盤

60年代のオリジナルOdeonレーベルとは異なりデザインも軽い感じなデザインになってます。
また、オリジナルのOdeonレーベルと比べると、厚みが薄く軽い盤質となり、クリアな色合いの赤盤になっています。
やっぱりオリジナルの方が重厚な感じで好きだな。

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さて、10枚のRubber Soulを紹介して来ましたが、普通であればステレオとモノラルをそれぞれ1枚ずつ持っていれば十分ですね。
でもマニアックな方はぜひ各国のアルバムも集めてみて下さい。
きっと少しデザインが違っていたりしてワクワクすると思いますよ。

最後までお付き合いいただきありがとうございました。

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