完成度が高く、美しいアクションパズルゲーム『HUMANITY』:XR映画ガイド第30回
今回は『HUMANITY』を取り上げます。このゲームは自我が失われた人間がしかいない世界の中で、理性と意思を保ち、最後の指導者として目覚めた犬であるプレイヤーが、人間たちを光の柱へと導くアクションパズルゲームです。
『HUMANITY』はPS4やPS5で発表されたもののVR版ですが、後から付け足したVR版というわけではなく、最初から想定され、開発されています。箱庭的な俯瞰視点で遊べるため、没入する形のVRとは違いますが、VRならではの視点で遊ぶことができます。Meta Questなどでも問題なく遊ぶことができ、もちろん、日本語にも対応しています。コントローラーはゲームコントローラーの方が相性が良さそうです。
制作したtha ltd.の中村勇吾は、NHK「デザインあ」映像監修、KDDIのスマートフォン『INFOBAR』のUIデザインなどを行っているクリエイターです。本業ではない慣れないゲームの開発ということで制作には5年かかっていますが、この期間は共同制作であるゲーム制作の実績があるEnhanceとのやりとりで試行錯誤された結果のようです。
見所:完成度が高く、美しい
感性の違いは人それぞれあるでしょうけれど、もともとが集団シミュレーションからこの企画が始まっていることもあり、群衆が移動していく様が美しく、それを最大限に見せる画面になっています。ぼんやりとその集団が移動していく動きを見ているだけでも、十分楽しむことができます。
また、ゲームUIがVRゲーム専用というわけではないので、平面的な表示ではあるのですが、完成度は高く、美しいです。私たちがそのようなUIに慣れ親しんでいるので使い勝手がよいということもあるかもしれません。進化の方向性として、VRならではの没入するUIにわざわざするだけではないということを示してくれていると思います。
作品データ
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