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ファンのための、メンバーに集中できるVRライブ『B★VERSE(BTS、星を歌う)』:XR映画ガイド第25回

今回は韓国を代表し、世界を舞台に活躍するアーティストBTSの体験型展示会『B★VERSE(BTS、星を歌う)』をご紹介いたします。こちらの展示会は2023年12月〜2024年1月までベルサール羽田空港で開催された後、あまりの人気のため2024年4月〜6月まで寺田倉庫G1ビルで再び開催されました。この記事が出る頃には寺田倉庫G1ビルの展示会は終わっていることになると思いますが、ファンからの要望が多ければ再び開催されるかもしれません。

『B★VERSE(BTS、星を歌う)』は映像と写真、そしてVRを組み合わせた全く新しい展示会になっています。BTSメンバーごとの写真展示がされた「7ROOMS」、BTSのライブを体感できる大型プロジェクションマッピング、さらにBTSのパフォーマンスを舞台上で見ることのできるVRシアターとBTSファンにはたまらない盛りだくさんの展示会です。VRシアターの内容は2021年、2022年に開催された「THE FACT MUSIC AWARDS(TMA)」のBTSパフォーマンスを目の前で、しかも体験者がBTSの存在をリアルに感じることができるVRライブ作品になっています。VRデバイスはQuest3を120台準備しており、音声についてはVRデバイスからではなく、会場から良いスピーカーで聞こえるようになっています。私が展示会に訪問した時は週末だったこともあり、女性ファンで満席でした。

見所:ファンのための、メンバーに集中できるVRライブ

展示会自体、本当に盛りだくさんで何時間でもいられる作りになっています。その中でも注目はやはりVRシアターです。BTSのライブの模様を高画質の3Dカメラで撮影しています。空間の使い方も、とにかく目の前のメンバーをよく見せることに集中するため、前面部分だけしか使っておらず、背面は真っ暗で映像はない状況でした。個人的には少なくともライブ会場の周辺の雰囲気等を知りたくなりましたが、ファンたちにとってはメンバー以外の状況はそんなに気にならないし、メンバーに集中できるこの判断は十分な演出なのだと思います。それよりも目の前のメンバーのちょっとしたしぐさに気づくことができたり、息遣いまでも感じるほどの近い距離にいる感覚だけで感動しているのだろうと多くの声援を聞くことで理解できました。

あともう一つ感心させられたのは、BTSの7人全てのメンバーのそれぞれの姿がちゃんと目の前で見られるように構成もしっかりと考えられており、ファンのことをよく考えられた構成でした。また作品上映中、大きな声を出しても良いということで、会場はライブ会場のような状況になっていました。そんな雰囲気もあり、VRで表現されている以上に、没入感が高まった展示会になっていて、新たなVRライブの可能性を身を持って感じたイベントでした。

作品データ

タイトル:THE FACT MUSIC AWARDS EXHIBITION『B★VERSE(BTS、星を歌う)』
ジャンル:音楽 / 展示会
制作年:2023年
制作国: 韓国
メディア:インスタレーション+VR/6DoF

この連載では取り上げてほしいVR映画作品を募集しております。
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