蒼天紅茶
漢都・長安。その宮殿。魔王と天子が庭を見下ろす。
「あれがおまえの……朝の紅茶だ」
グアアアアアアア ギィャアアア
絶叫が響く。屈強な男たちが、罪人の…………紅茶を淹れているのだ。
「皇帝・劉協よ。おまえには完璧な紅茶を与えてやる」
◇
しばらく後。短剣を持った屈強な男が、涎を垂らして笑いながら、裸に剥かれた罪人の眼き……紅茶を淹れている。
ブチチ グリグリ 「グギィ!」
別の男は舌……紅茶を淹れている。腕……紅茶を淹れている。
ぎゃああああああ
絶叫が響く。百官の眼の前で、目を覆うような阿鼻地ご……紅茶を淹れている。
「次ッ!」
屈強な男たちが、罪人たちを歩かせ、棒で押しやる。強火で熱された、巨大な青銅の釜の中へ。
ゴオオオオオオ
ぐああああ ぎィあああああああ
罪人たちは次々と煮えたぎる熱湯の中へ突き落とされ、棒で突き回される。……紅茶を淹れているのだ。
ゴトッ。
紅茶の香りが漂う、罪人たちの……紅茶が百官の座る席の前に出される。
「うっ」「グエエエ」「おええええ」「ぐあああああ」
口を覆う者、嘔吐する者。誰もが戦慄し、目を背ける。絶叫は止まらない。
だが……魔王は一人、平然と……紅茶をすする。
ずっ ゴリゴリ
【紅茶です】
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