旧き文明の地であるハルケギニア海の諸相について
おれだ。このコーナーも久しぶりだな。
おれはそれなりに古くから電子海に棲息しているが、その多くの時期を匿名の傍観者、いわゆるアノニマス(名無し)として過ごしてきた。たまに掲示板やスレッドに書き込みはしても、名乗ることはなかった。トリップをつけるようになったのすら2017年1月、聖杯海に出現してからだ。二次創作とはいえ小説を書き出したのは、その時点からほぼ10年前。これを投下した時は随分ドキドキしたものだ。まさかそれから2年足らずでこんなとこに来て、文章を書き散らしてるなんて思いもしなかった。
今から10年以上前、おれは突然オラクルを受けて異世海に転移し、小説らしきものを書き始めた。そこは「ハルケギニア」という異世海であり…正式には「あの作品のキャラがルイズに召喚されました」スレという。壮大なクロスオーバーの場であり、現在のなろう系小説のミーム的先祖のひとつだ。詳細は某所に書いたので省くが、かつておれもそこにいた。2ch海という非常に古い海(今は5ch海だ)で誕生し、のちしたらば海に移った。派生アットウィキ海もある。長い歴史と繁栄の時代を持ち、膨大なSSがあるが、現在は電子遺跡だ。しかし今なお動き続けているものもある。暇なら探索してみるといい。
どこから迷い込んだか思い出せないが、おれがやつに初めて出会った時、やつはアニロワ海でるるるっていた。あとアーカードが誰だかを食い殺していた。おれはそこからやや興味を覚え、電子の神であるGoogleに働きかけ、たどり着いたのだろう。しばらくスレをROMっていたところ、だいたいテンプレもわかってきて、ゼロ魔の原作も多少読んだ。そしておれにもなんか書けそうだと思い、書いた。それがこれだ。
「悪魔くん」の松下一郎だ。水木海屈指のきけんじんぶつだ。最初の方は流石に稚拙だが、だんだん上達したような気はする。漫画はぼちぼち読んできたが、ラノベ海や二次創作海には詳しくなく、いろいろ触れていろいろ学んだ。ただ、これは大風呂敷を広げすぎて未だに完結できていない。水木大先生ですら殺すしかなかった松下をおれに扱いきれるはずもなかったが、おれなりに動かしたことで愛着は湧いた。やつは今でもオヒガンの何処かで永遠の闘争を繰り広げていることだろう。おれが聖杯海に漂着したのは、ふと思い立ってやつを検索したところ、ここにやつがいたからだ。
◆エロイムのエッサイム◆
◆山田真吾◆
松下ばかりもなんなので、気が向いた時には別のやつも書いた。そのうち完結したのはこのふたつだけだ。これでおれにはかなりEXPが入った。
フジリュー版封神演義の趙公明だ。ハルケギニアは地球でいうと三銃士の時代、17世紀欧州をなぞった貴族の社会なのでちょうどいいと思い召喚した。やりたい放題やったので大変なことになったが、スカッとした。
ヒストリエのトラクスだ。おれが一番気に入っている。おれはルイズのアンタイでもヘイターでもないが、ルイズコピペのやつみたいに熱狂的に愛しているわけでもなく、るるるのルイズから入ったのでそういう印象がある。初期のサイトの扱いがこいつに似ていたので書いた。ただしどう考えてもルイズがヤバい目に遭うので、当時から存在したしたらば海の方で投下した。案の定だ。多少毒は吐かれたが、結構いい評価を頂いた。
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こうしておれはこの海に来て2年ほど書き続けたが、なんか…めんどくさくなったので黙って放置してしまった。そして10年が過ぎ、ここで発掘しているというわけだ。書き始めたが完結していないやつは以下のとおりだ。
太公望めいたルイズだ。趙公明のを書いてる時、思いついたので書いた。一発ネタもいいとこだが、現在の状況とシンクロしなくもない。
キムタク(愛称)のファーザーだ。おれはながいけん閣下の作品がとてもすきだ。『第三世界の長井』も読んでいるが、どこへ話が飛んでいくのか見当もつかない。ある種のパルプを感じる。
女らんまだ。ルイズのツンデレぶりがるーみっく海のキャラを思わせたので召喚したが、完全にハルケギニアがるーみっく海化した。それはそれで面白かったのだが、なんか途中でエターナってしまった。
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長編はこれぐらいだ。あと小ネタにもちょこちょこ投下した。隕石とか張飛とかチーターマンとか正月仮面とか病の母とか、ろくなやつがいない。
これらハルケギニア海の遺産も、そのうちnoteにアーカイブするだろう。おれは当時まだトリップをつけておらず、どの作者がおれなのかは判別できないが、おれはこの件に関して嘘をつかない。他人の作品をおれのだとは誓ってしない。ソンケイを信じろ。…いや、それは元ネタ的にだめか。
◆卍◆
◆十◆
電子生物としてのおれを、これより遡ることは難しい。今は以上だ。
【ひとまずおわり】